白骨死体で発見された親友の通夜で主人公は何者かに襲われる…

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、月刊ビッグガンガン(毎月25日発売)で連載中の原作・タナカトモさん、作画・蛸川蛸丸さんが描く『君に二度目のさよならを。』をピックアップ。 【漫画】“親友の死”から続く惨劇を回避してみせる…緊迫のタイムリープ・サスペンスに「こういうお話大好き」の声 2023年10月26日に作画担当の蛸川蛸丸さんがX(旧Twitter)で第1話を投稿したところ、1.5万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、原作・タナカトモさん、作画・蛸川蛸丸さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。 ■高2のときに失踪した親友が白骨死体になって発見された… WEBデザイナーとして働く春沢日向(はるさわひなた)は、作業の傍ら、高2のときに突然姿を消した親友の音無空(おとなしそら)を思い出していた。するとスマホが鳴り、空が亡くなったことを知らされる。高校時代の美術部仲間たちと共に通夜へ参列した日向は、そこで“空は美術部の壁に埋められていて、白骨死体として発見された”ということを知った。 空は誰かに殺され、犯人は当時の美術部員の中にいるのかもしれない…。そんな疑念が渦巻く中、美術部仲間の一人である篠原先輩は、空き部屋に置いてあった“空が失踪直前に描いた絵”を見て何かに気づく。そして、その直後に何者かに襲われてしまうのだった。日向が篠原先輩を発見し、助けを呼ぼうとすると篠原先輩は「絵を守れ」と言い残し事切れる。さらに、日向も状況を飲み込めないまま何者かに襲われてしまう。 ――目が覚めると、日向の身体には怪我も血の痕も見当たらず、さらになぜか制服姿だった。不思議そうに周囲を見回すと、そこには美術室で“あの絵”を描く高校生の空がいた。理由はわからないが、通夜のとき何者かに襲われた後、高2の春にタイムリープしたようだ。 “ここは空が失踪する180日前の美術室” 日向は決意する。この世界で空の失踪を阻止して、すべての惨劇を回避すると――。 本作の投稿へは多くの反響が集まり、「登場人物みんな怪しく見えてくる」「絵の秘密はなんなのか」などの声が寄せられた。『君に二度目のさよならを。』は、現在、月刊ビッグガンガンで連載中で単行本は3巻まで発売されている。今後の展開に目が離せない作品だ。 ■原作・タナカトモさん「読者の方が設定の把握で疲れてしまわないよう」作画・蛸川蛸丸さん「作品全体を柔らかい絵柄にするよう意識」 ――『君に二度目のさよならを。』が生まれたきっかけや理由などをお教えください。 タナカトモ：連載にあたり、作画の蛸川先生が男性をとても上手に描かれることを知っていたので、担当さんと「男の子たちの絆のようなものを描きたいね」という話をしていました。 ドラマチックに絆を描けるテーマを探しているうちに、時を超えた絆、タイムリープという題材に行きついた感じです。 また、蛸川先生の描く自然物の情緒が素晴らしかったので、舞台を自然溢れる鎌倉にしました。 そこから、鎌倉で過ごす美術を愛する男の子たちと、そこで起こる凄惨な事件を組み合わせたら面白いギャップが産まれそうだな、と構想が膨らみました。 蛸川蛸丸：私自身が男性を描く機会が多かったため、タナカ先生のご厚意で男性キャラが多く登場するお話をご考案して下さったのがきっかけだと思います。 様々な時系列で沢山の男性キャラクターを描かせて頂き本当に楽しいです、ありがとうございます！ ――本作を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。 タナカトモ：タイムリープものはどうしても設定が煩雑になりがちです。 読者の方が設定の把握で疲れてしまわないよう、可能な限りタイムリープ・タイムパラドクス部分をシンプルにして、キャラの心情やサスペンスに集中していただけるネームを作るよう心がけています。 蛸川蛸丸：主人公の日向君が明るくて少し子供っぽい印象から、作品全体を柔らかい絵柄にするよう意識しています。 その分ここぞのシーンではインパクトが強く出たらいいなと思っています。 ――この漫画は、タイムリープした主人公が親友を救おうとするお話です。もしも自分が好きな時間や場所へタイムリープできるとしたら、「戻ってやり直したい！」と思うことはありますか？ タナカトモ：皆考えることだと思いますが、のちのち上がる株を買い占めたいです。 よくそういう妄想をしています。 蛸川蛸丸：作画を担当させて頂いているのですが、毎話締切りまであと数日欲しい…と願っているので、スケジュールを組み直すために戻ってやり直したいと毎月何度も思っています…。 ――今後の展望・目標をお教えください。 タナカトモ：最近は原作者としての活動がほとんどなので、ネームを突き詰めていきたいですね。 続きが待ちきれないようなネームを描くのが目標です。 蛸川蛸丸：全体的な描写力は勿論のこと、喜びや緊張、恐怖や疑惑などの感情や空気感で殴れる表現力をあげたいです。 ――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。 タナカトモ：『君に二度目のさよならを。』を見つけてくださってありがとうございます。 重い部分やグロい部分も多々ある話ですが、最後まで日向と空をしっかり描いていきたいと思っていますので、お付き合いいただければ幸いです。 蛸川蛸丸：ここまで読んで頂きありがとうございます！ 私自身も一読者として日向と空の行く末がどうなるのかドキドキしつつ、タナカ先生のお話を楽しんで頂けたら幸いです！