“解釈改憲”で同性カップルの結婚は実現できるか?
これに対し、日本大通り法律事務所(横浜市)の喜多英博弁護士(40)は「非常にデリケートな問題ですが、素直に読むと『両性』すなわち『男女』の婚姻を予定していると読める憲法の規定と、それを前提とした各種法律に基づけば、今回の青森市役所の対応はやむを得ないでしょう」と指摘する。 その上で、「しかし、人間にはそれぞれ個性があるのだということを尊重し、すべての国民が幸せになれる法制度が理想ですから、今回の対応が人権侵害ではないのか裁判所の判断を仰ぐということも考えられます。また、立法によって解決すべきという考え方もあるでしょう。いずれにしても、1人2人で戦うのではなく、性的マイノリティの方々が集まり、結婚を望んでいる同性愛者が大勢いて困っているという事実を示しながら、集団訴訟や立法運動を起こすことが必要になると思います」と話す。 寺田さんは「そもそも、同性婚の憲法解釈について、政府として統一的な見解を出したこともない。法務大臣も最高裁も判断を出したことはない。これまで憲法24条を理由に受理しなかった自治体だけが、見解を改めれば済む話ではないか」と力を込める。EMA日本としては、次期の国政選挙で、候補者たちに同性婚を可能にする法律の整備を働きかけることにしている。 いずれにしても、憲法はあらゆる法律の上位にあり、憲法に反する法律は無効とされる。同性婚の問題については今後、国民的な議論を深めていく必要がありそうだ。 (文責・坂本宗之祐)