まさに伝説…。Jリーグ史上最高のチーム(1)~(5)31年の歴史で最強のチームは?
ジュビロ磐田:2002年 主な成績:1stステージ優勝、2ndステージ優勝 監督:鈴木政一 日韓ワールドカップ開催で日本中のサッカー熱が高まったこの年、Jリーグで最も輝いていたのがジュビロ磐田だ。 磐田は2001シーズンに悔しい思いをした。ファーストステージで優勝したものの、セカンドステージで2位になると、チャンピオンシップで鹿島アントラーズに敗れて年間優勝を逃している。シーズンの通算勝ち点ではトップだったが、最終順位は2位だった。 その悔しさをバネに磐田はさらにスケールアップ。2002シーズンは開幕6連勝スタートを飾るなどしてファーストステージを制すると、セカンドステージでも2位・ガンバ大阪に勝ち点8差をつけて優勝し、Jリーグ史上初の完全優勝を果たしている。 当時のメンバーは豪華そのもの。高原直泰が26得点を挙げて、得点王と最優秀選手賞をダブル受賞。中山雅史も16ゴールを決めた。2002シーズンの得点ランキング・トップ10は磐田の2人を除くと全て外国人選手で占められており、磐田がいかに異例の強さを誇っていたかが分かる。 その得点力の源泉は「N-BOX」だった。3-5-2のシステムでピッチの中央に名波浩が入り、「N」を囲むように4人のMFを配する画期的なフォーメーションだ。低い位置に福西崇史と服部年宏、高めの位置に藤田俊哉らが入って攻撃を組み立てる戦い方が一世を風靡。当時の磐田のクオリティーがあって初めて可能になるものだが、抜群のイメージの共有で驚異的な攻撃の連動を生んだ。ドゥンガのもとで植えつけられたインテンシティーで組織的な守備も完全に機能。他を寄せつけない圧倒的な強さを見せたシーズンだった。
横浜F・マリノス:2003年 主な成績:1stステージ優勝、2ndステージ優勝 監督:岡田武史 2003シーズンの横浜F・マリノスは、Jリーグの歴史でも屈指の勝負強さを誇ったチームだ。ファーストステージとセカンドステージで優勝して、完全優勝を果たしている。 2002シーズンのセカンドステージを6位で終えた横浜FMは、岡田武史監督を招聘して新しいシーズンをスタートさせた。最終ラインには中澤佑二と松田直樹が君臨。両サイドバックはドゥトラとユ・サンチョルという豪華さで、安定感のある戦いを見せた。 中盤では奥大介が攻撃のアクセントをつけて前線につなげると、エースの久保竜彦が日本人トップとなる16ゴールを記録。まだブレイク前だったものの、マルキーニョスも相手の守備をかき回して8ゴールを決めた。 横浜FMの完全優勝に終わったシーズンだが、独走だったわけではない。セカンドステージの最終順位は、上位3チームが勝ち点で並ぶ大混戦で、得失点差での優勝だった。年間最終順位は2位のジュビロ磐田とわずか1差という僅差だ。 この接戦で差を生んだのは、横浜FMの勝負強さだろう。セカンドステージ最終節で優勝の可能性があったのは、横浜FMのほかに磐田、鹿島アントラーズ、ジェフユナイテッド市原の3チームだった。横浜FMは磐田との直接対決で勝つしかない状況。立ち上がりに先制を許した上、15分にGK榎本哲也が退場する絶望的な展開だったが、後半の序盤に追いつくと、終盤には久保のゴールで逆転に成功した。他会場の結果も手伝って、奇跡の逆転優勝を果たしている。