株価値動き AIで予測 業務支援システム 共同研究の成果報告 常陽銀と茨城大
人工知能(AI)を活用した株式投資の効果的な運用を目指して連携する常陽銀行(茨城県水戸市)と茨城大(同)は17日、水戸市南町の同行本店で、これまでの共同研究の成果を報告した。過去の値動きをAIに学習させ、条件を入力すると株価予測などを表示する業務支援システムの開発について説明した。 システムは両者が連携して開発したソフトウエアを活用した。株の売買条件について、AIが膨大な選択肢の中から「お勧め」を絞り込み、株を売買する効果的なタイミングとなる指標を示す。収益の向上や運用リスクの低減などが図れるとして、同行は10月に導入を始めた。 共同研究は有価証券運用力の高度化を狙いに、同行市場金融部と機械学習・金融工学を専門とする同大大学院理工学研究科が手を組み、2022年1月にスタート。同行が過去の相場や経験を基にした研究仮説・取引アイデアを提供し、同大が分析を担当した。 研究により、銀行側は有価証券の運用力強化に加え、データ分析にたけた理系人材との接点を構築する。大学側にとっては企業ニーズを直接聞き取った研究につなげ、社会貢献にも関わる利点がある。 研究に参加した同大大学院2年の沢畑英介さん(23)は「学生のうちに、勉強したことをビジネスに生かすという貴重な体験ができた」と話した。
茨城新聞社