失神&嘔吐者続出ホラー『テリファー』監督、最重要は子役のケア 残虐シーンは別撮り「暴力から極力遠ざける」
子供たちにトラウマを与えない
シリーズ3作目となる『テリファー 聖夜の悪夢』は、タイトルの通りクリスマスシーズンが舞台となる。街はクリスマスの飾りで煌びやかになる中、サンタ姿のアート・ザ・クラウンが住民たちを恐怖のどん底に陥れる。 レオーネ監督によると、クリスマスを舞台にするアイデアは、前作『テリファー 終わらない惨劇』撮影中にクルーからあがってきたものだったという。「クリスマスシーズンの撮影で、私たちが住む街から車で4時間ほどの郊外で行われました。撮影中はクルーもアート・ザ・クラウンの思考になってしまうので、『この武器を使ってみたら?』『こんなシチュエーションはどう?』というアイデアがどんどん共有されるんです。その中で『もしもアート・ザ・クラウンがハロウィンではなく、クリスマスに殺戮が起きたら?』という案があがってきて、直感的に『これだ』と閃きました」
劇中ではクリスマスプレゼントを楽しそうに開けたり、サンタ姿のアート・ザ・クラウンを目撃する子供たちが登場する。本作は子供が鑑賞できないR18+指定で、当然大量の血しぶきや人体破壊などのゴア描写が多数含まれている。子役たちの前で残虐シーンを撮るのは刺激が強すぎるため、レオーネ監督は彼らのケアを最優先して撮影を進めていた。
「子供たちを暴力やネガティブな描写から遠ざけるようにしました。必要でない限りは、子供たちに最小限の情報だけ共有するようにしています。もちろん、保護者の同意があればそれ以上のことも伝えました。例えば、ある爆破シーンでは子供たちも巻き込まれてしまうのですが、爆破の直前までは子役がいる状態で撮影し、爆破シーンだけ1か月後にセットを組み立て別撮りしました。ほとんどの子役たちは、自分が爆死することは知らないですが、一部の子は状況を察して『僕たちはいつ爆発に巻き込まれるの?』と聞いてきたりもしました。私は笑顔で『爆発なんか起きないよ』と優しく伝えてあげました」