マスターズ優勝・シェフラーに学ぶ。アマチュアも使える、手堅いランニングアプローチ法
吉田洋一郎コーチによる最新ゴルフレッスン番外編。今回は2年ぶり2度目となるマスターズ制覇を果たした、スコッティ・シェフラーに学ぶランニングアプローチを紹介する。 【動画で見る】アマチュアも使える、手堅いランニングアプローチ法
世界ランク1位の貫録をみせたシェフラー
2024年の男子メジャートーナメント初戦のマスターズは、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが2年ぶり2度目の優勝を果たした。 最終日は7アンダーでスタートし、最終的に2位に4打差の11アンダーとして他の選手を寄せ付けない圧倒的なプレーで再びグリーンジャケットを身にまとった。 この勝利でマスターズを複数回優勝した18人目の選手となり、27歳9ヵ月での達成は史上4番目の年少記録となった。 2年前のマスターズ初優勝の際は、最終日の朝に緊張と不安から妻の前で泣きじゃくり、最終ホールを4パットのダブルボギーとするなど初メジャータイトルの重圧を感じながらのプレーだった。 しかし、今回のマスターズでは前回とは別人のように落ち着いて最終日をプレーし、シェフラー時代の到来を感じさせる堂々した勝ちっぷりだった。 特にアーメンコーナーと呼ばれる11番から13番ホールの難所では、他の選手がスコアを落とすなか、1ボギー1バーディーで乗り切ったことが大きい。 距離が長く難易度の高い11番ではボギーとしたものの、ピン位置が厳しい状況でセカンドショットを無理に狙わずにセーフティーなコースマネジメントを選択。このシーンはシェフラーの落ち着きぶりを感じた。 16番パー2では左の池が気になるピンポジションにもかかわらず、アグレッシブにピンを攻める素晴らしいショットを放ち、バーディーを奪取。勝負を決定づけた。メジャーの優勝争いで緊張しているなか、自信を持ってコースを攻め続ける姿が印象に残った。 2023年シーズンのシェフラーはメジャー未勝利だったが、メジャーで勝っていないことが不思議なくらい素晴らしい成績を残した。 優勝は2回だったが、トップ10入りは24試合中18回で75%を記録し、トップ15を逃したのは3試合のみで予選落ちはなし。平均ストローク1位、パーオン率1位という文句のつけようがない成績を残した。 メジャーの試合でも、全米プロ2位、全米オープン3位と優勝まであと一歩だった。2024年シーズンは3月のアーノルド・パーマー招待とザ・プレーヤーズ選手権で勝利を挙げ、今回のマスターズの勝利と合わせてすでに今季3勝だが、この勢いでメジャーをもう1勝しても不思議ではない。 間もなく子供も生まれる予定で、心身共に充実したシーズンとなるのではないだろうか。