「いざとなったら持ち家を売れば大丈夫」はもう効かない…「賃貸か」「持ち家か」の前に見落としている、住まいの「意外な盲点」
『2050年には全5261万世帯の44.3%に当たる2330万世帯が1人暮らしとなり、うち65歳以上の高齢者が半数近くを占める』 【マンガ】マイホームは「持ち家」か?「賃貸」か? ついにその「答え」がわかった… 先月に厚労省の国立社会保障・人口問題研究所が公表したこの数字は一時Xでトレンドにランクインするなど、衝撃の波紋が広がっている。 “人生100年時代”と言われる一方で、歯止めの効かない少子高齢化が進む日本。先行きの見えない状況下で老後を迎えるにあたり、私たちはどう備え対処していけばよいのか。 お金、健康、法律など、各専門分野のスペシャリスト8人が老後を解説する『死に方のダンドリ』ではそんな備えと対処について、詳細に明かした一冊だ。 前回の『83歳「元タクシー運転手」家賃滞納になった部屋で発見された、おぞましい「ゴミ屋敷」の凄惨すぎる現場』に引き続き、本稿でもその一部を抜粋・編集しお伝えする。
70歳以上は賃貸の「難易度」があがる
「賃貸か持ち家か」の議論は、さまざまなメディアで取り上げられています。 ただ、この議論が成り立つのは、「借りたい」と思ったときにいつでも賃貸住宅を借りられる状態にあることが前提となります。 しかし、70歳以上の高齢者になると賃貸住宅を借りる難易度は急激に上がります。 では、持ち家なら大丈夫でしょうか? 残念ながらそうとも限りません。 持ち家はローンを完済すれば確かに家賃こそかかりませんが、家の補修費用や固定資産税は必要です。ある程度の築年数になれば、屋根や外壁を補修しなければならないこともあるでしょう。 何にいくらぐらいかかるのか具体的にイメージをして、その分のお金を貯めておかなければ、持ち家に住み続けるのも大変です。 想定外の災害が毎年のように全国各地で起こっていますから、自宅が災害に遭うことも想定しておいたほうがいいでしょう。台風や地震で持ち家が被害を受けた場合、その補修費は保険で全額賄えるのか。そもそも保険に入っていないなら、入ることを検討する必要もあります。