私の戦い方vol.4豊島将之九段「わかりそうでわからないものに惹かれる」
【写真】荒井勝
【インタビュー日時】2024年3月22日 【写真】荒井勝 【記】會場健大 ■現在の将棋界について ―この度はA級順位戦を勝ち抜いて名人挑戦を決められました。おめでとうございます。 「ありがとうございます」 ―このコーナーで皆様に共通して聞いている質問がありまして、それを最初に伺いたいと思います。現在、将棋界において、藤井聡太竜王・名人が八冠を独占しておられるという状況になっていますが、どのようにご覧になっていますか。 「自分も結構、重要なところで負けてしまっているので、悔しさはあります。例えば最近であれば王座戦がそうでした。実力差があったとしても、それを結果に反映させていくというのはすごく難しいことだと思うので、非常に充実されていると思います。将棋自体がかなり難しいものなので、実力に差があっても、必ずしも強いほうが絶対に勝っていけるというものでもないですし、そういった中で全冠制覇されているというのは、すごく大変なことです」 ―今年に入ってからのタイトル戦について伺います。まず王将戦についてです。全局振り飛車となりましたが、このシリ―ズをどうご覧になりましたでしょうか。 「徐々に藤井さんの側が有利になって、そのまま押しきるような将棋が多かったですね。ペ―スをつかんで、ちょっとずつよくしていくっていう展開だと、ほとんど逆転負けがない方なので。菅井さんは振り飛車特有の将棋で、逆転勝ちが多いタイプなんですけど、そういう菅井さんのパタ―ンが出なかったという感じなのかなと思いました。第1局は互角に近い局面で、藤井さんがどんどん時間を使っていた展開だったので、そこで何かもう1手2手、互角を保つような手を指せていたら、また違った展開になったのかもしれません」 ―棋王戦についてはいかがでしょうか。
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将棋世界編集部