（写真：東奥日報社）

　衆院選投開票が3日後に迫った24日、自民党が非公認候補の党支部に活動費として2千万円を支給したとの報道を受け、青森県選挙区の野党陣営は街頭で「（自民派閥）裏金事件の反省がない」と批判を展開した。自民陣営は「有権者に理解してもらえない」と困惑し、「国民感覚とずれている」との苦言も出た。 　「政党助成金の原資は税金。裏金議員のところに2千万円もの血税を送る、こんなばかな話はない。反省しているとは思えない」。立憲民主党候補の応援で青森県入りした大串博志選対委員長は、こう指弾。1区の街頭で並んだ升田世喜男候補も「相も変わらず金で政治を動かそうとしている」と語気を強めた。3区・岡田華子候補がつがる市でこの問題への憤りを口にすると、聴衆から「そうだ」と賛同の拍手が起きた。 　共産党候補も批判を繰り広げた。1区・斎藤美緒候補は2千万円支給を報じた党機関紙を掲げ、「事実上の公認、裏公認ではないか」と攻勢を強めた。2区・久保将候補は「反省のない自民。もうこんな政治、本当に終わらせましょう」と聴衆に呼びかけた。 　「政治とカネ」の新たな問題に、自民陣営は守勢に立たされた。裏金事件に関与し、街頭で政治資金改革を誓ってきた3区・木村次郎候補の陣営関係者は「一つ一つ得票を積み上げている時なのに。後ろから撃たれたような思いだ」とこぼした。3区内の党支部幹部は「だから金権政治と言われてしまう」と選挙戦への影響を懸念した。 　2区・神田潤一候補の個人演説会で、同党の大崎光明県議は「（活動費支給の）趣旨は理解するが、時期と金額は適切なのかいささか疑問」と問題に言及。取材には「うなずく人もいたので、不適切と感じているのだと思う」と話した。 　1区・津島淳候補は報道陣に「支給するなら本当に党勢拡大のために使われたか、事後に検証があってしかるべきだ」と述べつつ、「手続きの透明性などを含め、国民感覚とずれている」と党の対応を問題視した。