ウクライナが初の「ロボットだけの作戦」を実施 人員不足も浮き彫りに
ロボット部隊には不得手なこともある
問題は言うまでもなく、ロボットは状況の監視や目標に対する攻撃は得意でも、土地の保持は苦手なことだ。軍隊は土地を保持するために歩兵を壕に配置する。歩兵は壕で待機、警戒し、敵が攻撃してくれば増援を要請する。常に油断できず、長々と続く骨の折れる仕事だ。 地上ロボットを使うにしても、メンテナンスに手間のかかるそのセンサーを通じて人間の操縦士が戦場を遠隔監視する場合、常時警戒するのは難しい。 機械には故障もつきものだ。また、米カリフォルニア州にあるランド研究所が実施したシミュレーションでも明らかになったように、機械の操作に使われる無線データンクは敵のジャミング(電波妨害)を受けやすい。武装地上ロボットなどを装備した米軍部隊とロシア軍部隊の仮想戦闘では、米軍側の作戦能力はロシア軍側のジャマーによって「著しく低下した」という。 ハルティヤ旅団が、ロボット部隊の襲撃で掃討したというロシア側陣地を保持しようとしたのかどうかも不明だ。 ロシアの全面侵攻を受け始めて3年近く経過するなか、ウクライナは軍用ロボットの分野で世界のリーダーになっていると言っても過言ではないだろう。とはいえ、ウクライナの技術革新は切羽詰まった状況への対処策という面もある。ロシア軍側と対等な兵員数の確保に苦労しているという状況だ。
David Axe