ポケカ入門にピッタリ! 現役TCG勢による『Pokémon Trading Card Game Pocket』先行体験レポート
スマートフォン向けデジタル・カードゲーム『Pokémon Trading Card Game Pocket(略称・ポケポケ)』が10月30日にサービスを開始予定となっている。世界中で楽しまれている『ポケモンカードゲーム(略称:ポケカ)』の開発元・株式会社クリーチャーズと株式会社ディー・エヌ・エーが手掛けるゲームであり、誰もがスマートフォンでポケモンカードの世界を楽しめるようなゲームであるという。本稿ではポケカのプレイ体験があり、現役TCGプレイヤーでもある筆者が、メディア向け先行体験会で体験した『ポケポケ』のプレイフィールをレポートしたい。 【画像】“集める”楽しみがたくさん! 『ポケポケ』のスクリーンショット ■無料でパックを開封可能、多言語のカードを手に入れるチャンスも 『ポケモンカードゲーム』は日本発のトレーディング・カード・ゲーム(TCG)で、長い歴史と多くのファンを持つ。TCGは「カードを収集する楽しみ」と「対戦する楽しみ」を併せ持つゲームであり、たとえ対戦をせずとも「キラカード(Foil)」を集めたり、似た傾向のカードを集めて自分だけのバインダーをつくったりと、さまざまな遊び方がある。 『ポケポケ』もそんな「TCGの楽しみ」が詰まったゲームであり、過去の『ポケモンカードゲーム』に収録されたイラストはもちろん、本作のために作られた完全新規のカードも登場するなど、さまざまなカードをコレクションできる。こうしたカードは「パック」にランダムで収録されており、プレイヤーは1日に2パック、カードが5枚入った拡張パックを無料で開封できる。ゲームのメイン画面には数種類の拡張パックが大きく表示されており、これをタップすると開封を楽しめるのだ。 開封画面ではたくさんのパックが現れ、どれか一つをタップするとパックが大きく表示される。パック上で横に指をすべらせるとパックが開き、中のカードが順番に表示される。一枚一枚ドキドキしながらカードの表示を待つ“開封”の楽しみもある。ちなみに開封前のパックを軽くスワイプするとパックが後ろを向くのだが、この状態で開封するとカードはすべて裏面で表示される。画面上のパックの向きで開封演出にも違いが生まれるのは面白い! カードを手に入れる方法はまだある。「ゲットチャレンジ」という項目をタップするとほかのプレイヤーが開封したパックの履歴を閲覧でき、いずれかのパックを選択し、その中に入っていた5枚のカードの中からランダムで1枚をゲットできる。異なる言語で遊んでいるプレイヤーの開封した拡張パックからはその言語のカードをゲットできるという仕様になっており、多言語のカードも楽しめる。ほかの言語ではポケモンの名前も変わるため(たとえばリザードンは「Charizard」だ)、「こんな名前なんだ!」という発見もあるはずだ。 ■集めたカードで図鑑を埋める楽しさは『ポケットモンスター』ならでは こうして手に入れたカードをいろんな方法でコレクションして楽しむのも、『ポケポケ』の楽しみの一つ。「図鑑」の機能では拡張パックごとにゲットしたカードが記録されて眺めることができる。新たにゲットしたカードが図鑑に登録されるという点は原作『ポケットモンスター』におけるポケモン図鑑の仕組みも踏襲しており、原作ファンにもうれしい要素だろう。お気に入りのカードを一枚ボードに封入してコレクションできる「コレクションボード」の機能も嬉しい。 また、一部の「イマーシブカード」では長押しすることでイラストの世界に飛び込むような映像を楽しめる。 また、選んだ複数枚のカードをファイルにまとめることもできる。ファイルには表紙を指定でき、自分だけのコレクションを作れる。 ■カードを集めてバトルに挑め! 『ポケポケ』独自のルールも秀逸 もちろん集めたカードでデッキを構築し、バトルを行うこともできる。バトルにはCPU戦ができる「ひとりで」と、フレンド戦・ランダムマッチができる「だれかと」があり、スタミナ制限などはなく無制限に対戦を楽しめる。今回の体験会ではデッキのメインカードをゲットすることで使えるようになるレンタルデッキを用いて初級のCPU戦をプレイした。『ポケポケ』のバトルでは既存の『ポケモンカードゲーム』とは異なるオリジナルルールが用いられ、ざっくりと解説すると以下のようなルールになっていた。 ・デッキは20枚 ・ベンチにおけるポケモンは3匹 ・エネルギーカードはなく、1ターンに1度エネルギーゾーンにエネルギーが付与される ・3ポイント先取(相手のポケモンを倒すと1ポイント、 相手のポケモンexを倒すと2ポイント) ・サイドカードは無し ・弱点が2倍ダメージではなく+20点ダメージ また、カードの効果(テキスト)、拡張パックのエキスパンションはいずれも完全に『ポケポケ』独自のものになっており、紙のカードと同名のカードがあっても効果が異なることがある。 実際に『ポケポケ』を体験したところ、『ポケモンカードゲーム』のルールをベースにしつつもスマートフォンでのプレイに最適化され、スピーディな戦闘が楽しめるルールだと感じた。 なお体験会ではレンタルデッキを使用したが、自分の手で20枚のカードを選び、オリジナルデッキを作って対戦を楽しむこともできる。カードの相互作用を勘案しながら「自分だけのデッキ」を作り、カスタマイズして戦っていくのはカードゲームの醍醐味だ。また、カスタマイズできるのはデッキの中身にとどまらない。デッキを保護するデッキシールド、コイントスに用いるコイン、デッキケース、プレイマットも変更でき、これらの変更はバトルの画面にも反映される。好みのケースやサプライを選ぶのもまたTCGの楽しみ方だ。 オリジナルデッキを構築し、再度CPU対戦をしているところで体験会は終了。1時間ほどの時間の中でパック開封、コレクション、レンタルデッキでの対戦、デッキ構築など、ゲームの楽しみ方をざっと体験できた。 『ポケポケ』は「いろんなカードと出会う、カード同士の相互作用を見つける、カードを集めてデッキを強くする、対戦する……」という、TCGの多様な面白さをスマートフォンで手軽に体験できるゲームだと感じた。「TCGは難しいゲームだ」というイメージを持っている人も多いなか、このゲームがそれを払拭してくれることに期待している。特に紙の『ポケモンカードゲーム』の導入としては最適だ。 ひとまずは国内での『ポケポケ』の配信を楽しみに待ちたい。
白石倖介