ノートルダム大聖堂の火災から5年、12月に一般公開再開 修復費用は903億円
パリ中心部の観光名所ノートルダム大聖堂が2019年4月に大規模火災に見舞われてから5年が経過した。今年12月の一般公開再開を目指し、作業員らが奮闘している。大聖堂の関係者によれば、これまでにかかった費用は903億円以上。火災の正確な原因はまだ不明で、当局は電気系統の故障かタバコの火の不始末だとみている。 パリのノートルダム大聖堂の大規模火災から5年。今年12月の一般公開再開を目指し、作業員らが奮闘している。 2019年4月15日に出火。屋根が炎に包まれ、尖塔を飲み込み、鐘楼は崩壊寸前だった。この日のことは、いまだにパリ市民の脳裏に焼き付いている。 アルベール・コーエンさんは自転車で走っていた際、火災を目撃した。 パリ市民、アルベール・コーエンさん 「自転車で近くまで行った。 ノートルダム大聖堂はもう終わりだと思った」 だが修復作業は進み、修復用の足場は徐々に外されつつある。一般公開の再開も視野に入った。 修復に当たっているのは約500人の作業員。エマ・ルーさんもその1人だ。 ルーさんはステンドグラス職人。当初、大聖堂からステンドグラスを取り外すために呼ばれたが、修復作業に携わるようになった。 ルーさんは作業員の努力を「一生の仕事」と呼ぶ。 ステンドグラス職人のルーさん 「ノートルダムを再発見するという、良い面もあった。 考古学的な調査を行うことができ、貴重な発見をした。絵画に関しても、洗浄の過程で汚れの下から見つかったものもある。 部分的な改修工事で発見される可能性もあったが、ノートルダム大聖堂とは何だったかという、世界的なビジョンが持てた」 大聖堂の関係者によれば、これまでにかかった費用は903億円以上。多額の寄付のおかげで、まだ資金は残されているという。 火災の正確な原因はまだ不明。フランス当局は、電気系統の故障かタバコの火の不始末だとみている。 一般公開再開は12月の予定。プロジェクトの関係者によれば現時点で予定通り進んでいる。