「守るべき情報という意識低い」不安募らせる通院患者 岡山県精神科医療センター、最大4万人分流出発表から1週間
岡山県精神科医療センター(岡山市)がサイバー攻撃を受け、患者情報が流出した問題の発覚から1週間。ギャンブル依存症で通院する男性=岡山県在住、30代=は「周囲に精神疾患の通院を知られたくないという患者もいる。細心の注意を払ってほしかった」と残念がる。 【写真】情報流出を発表した岡山県精神科医療センター 男性は4年ほど前からセンターの依存症外来を受診。現在は月1回ペースで通っている。情報流出は病院からではなく、知人から聞いて初めて知ったという。男性は借金を抱えており、知らない消費者金融から連絡がくることもあるという。「流出を受けて、さらに連絡先が業者に広がらないか心配。しつこく勧誘してくる会社もあるので」と不安を吐露する。 今回の問題では、セキュリティー対策となる機器の更新を進めていなかったことが要因の一つになった。昨年6月、病院の情報システムに外部から接続する際に使うVPN(仮想専用線)に関してサイバー攻撃に脆弱(ぜいじゃく)な機種であることが判明。更新に向けて業者と協議をしていたが、具体的な進展がないまま、棚上げになっていたという。男性は「守るべき情報という意識が低いように感じる」と疑念を抱く。 センターは入院患者約250人への個別説明を終えており、郵送が可能な元入院患者や通院患者約5千人に情報流出を知らせる文書を近日中に送付する準備を進めている。「患者が不安にならないように、今後の対応をしっかりしてほしい」と男性。普段から接してくれる医師や事務職員には「感謝の気持ちしかない。そういった人たちに心ない言葉が飛んでこないか心配」とも話す。 センターは11日、サイバー攻撃により最大約4万人の個人情報が流出したと発表。17日午後5時までに計191件の問い合わせが寄せられている。 【相談窓口】0120―131―601(午前9時~午後5時、土日祝日も対応)