天井知らずのエヌビディア株、時価総額2兆ドル増でも強気派ひるまず
エヌビディア、時価総額3兆ドル-マイクロソフトとアップルに近づく
エヌビディアの直近の決算からは、年内に先端チップ「ブラックウェル」が発売予定であるにもかかわらず、顧客は現行の「H100」チップをなお購入し続けていることが分かった。ハイテク大手の設備投資計画によると、AI関連インフラへの投資額は従来の想定を上回る見通しだ。
エヌビディア株大幅高、好調な売上高見通しでAI期待に応える
エバコア・ウェルス・マネジメントのパートナー兼ポートフォリオマネジャー、マイケル・カークブライド氏は「エヌビディアの販売拡大を阻む唯一の要因は供給だ」と話す。
主要顧客の需要動向が見通せることに加え、他の業界からも需要が高まっており、エヌビディアのバリュエーションは「極めて妥当」だと同氏。「われわれは買い手であり続ける」と述べた。
弱気派少なく
エヌビディアの躍進は、その規模とスピードから、警戒する声や懐疑的な見方も出ている。だが今のところ、弱気派の見立ては現実のものとはなっていない。
リサーチ・アフィリエイツを創業したロブ・アーノット氏は、少なくとも昨年9月からエヌビディアのバブルを警告してきた。ハイテク業界の栄枯盛衰の歴史に触れ、いずれエヌビディアも同じ運命をたどるとの見方を示している。
バブルハンターが警告、エヌビディア熱狂は「大いなる市場の妄想」
だが、ブルームバーグがまとめた市場予想によると、エヌビディアの2025年1月通期の純利益は平均で650億ドルと、前年度の300億ドルから急増すると見込まれている。市場予想はわずか1カ月で10%切り上がった。
重要な点として、エヌビディアは利益だけでなく利幅も伸ばしており、売上高が急増する中で価格設定力の強さを示している。粗利益率は2年前の59%から、今年度は76%に上昇すると予想されている。
また向こう1年の利益予想に対する株価収益率(PER)は39倍と比較的割高な水準だが、2023年5月の決算発表前の60倍からは割高感が薄れている。