“アベプラの猛獣使い”テレ朝平石アナの円滑なコミュニケーション術「世の中の分断を改善したい」
ファシリテーションのノウハウを届けたい
平石アナは、培ったファシリテーションをまとめた著書『超ファシリテーション力』(アスコム刊)で、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」ビジネス実務部門賞を受賞。今年9月には、さらに分かりやすくファシリテーションを伝えるべく『マンガでカンタン! ファシリテーションは7日間でわかります。』(Gakken刊)を出版した。 「そもそも『ファシリテーション』という言葉を知りませんでした。ある時、インタビューを受けていて、『平石さんがアベプラでやっていることをファシリテーションというんです』と言われました。その後、出版社の方から『ファシリテーションを書籍化しませんか』とお声がけいただき、『超ファシリテーション力』という本につながりました。さらに、それから3年。新たな要素を加え、ストーリー仕立てでファシリテーターとして成長していく様を描いた『マンガでカンタン!ファシリテーションは7日間でわかります。』が、この度、完成しました。どんな社内会議でも、人さえ集めれば上手くいくかというとそんなことはなくて、誰かが傷つくことだってある。そうならないためにも進行役が最低限、意識しなくてはいけないことや、会議の進め方が劇的に変わる技術を紹介しています。この本を通して、話し合うことの大切さやファシリテーションのノウハウをたくさんの方に届けられたら世の中の分断をなくしていく解決策の1つになるんじゃないか。そう信じて、作らせていただきました」 平石アナいわく、ファシリテーションは若い世代の方が理解が進んでいると感じるという。 「実際に大学でもファシリテーションの講義や講座があり、『合意形成のしかた』や『答えのない時代の解決策の見つけ方』といったことを学んでいます。次の時代のキーワードとして”ファシリテーション”は当たり前になっていくのではと思います」 果たして、職場で平石アナは若い世代の後輩たちとどのようなコミュニケーションを取っているのだろうか。 「『年齢を感じさせないこと』は意識しています。まず自分から『おじさん』という言葉は使いません。言った瞬間に『おじさん』になってしまいますから(笑)。年齢を問わず、同じ目線でフラットに話せる関係であることを、職場でも番組でも大切にしています」 10月からは『グッド!モーニング』の土曜日に加えて日曜日のメインキャスターも担当している。 「ニュース系の番組は、きちんと分かりやすく情報を届けることが大切なので、アベプラとは少し違う筋肉を使っている感覚です。おかげさまでどちらもやりがいがあって楽しく、『グッド!モーニング』は土日もしっかりと密度濃くニュースや情報をお届けしていますので、ぜひ、『週末の朝の平石』も見ていただきたいです」 今はアナウンサーとしても、個人としても充実した日々だと話す。 「私はたくさんの番組に出るより、一つひとつの番組、1回1回の放送で、内容の濃いものを届けていきたい。本も同じです。会社員なのに本を作らせてくれた会社に感謝しています。そして、作った以上は、多くの人にきちんと届けたい。ファシリテーションで世の中の分断を改善できるのでは、と本気で思っているので、ぜひ読むだけでなく、書いてあることを実践してほしい。私自身もこの先も思い切り楽しんでファシリテーションを実践しながら、そのノウハウを伝えていきたいです」 □平石直之(ひらいし・なおゆき) 1974年8月18日、大阪府生まれ。早稲田大政治経済学部卒業後、97年、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。報道番組でキャリアを積み、現在は『グッド!モーニング』『ABEMA Prime』を担当。21年、著書『超ファシリテーション力』(アスコム刊)が、ビジネス書グランプリ・実務部門賞を受賞。173センチ。
福嶋剛