人気割れのフェブラリーSは高配当が飛び出す予感...穴党記者が推すのは一芸に秀でた2頭
そこで、松田記者は「混戦だからこそ狙いたいのは、一芸に秀でた馬」と言って、2頭の穴馬に目をつけた。 「まず期待したいのは、末脚非凡なタガノビューティー(牡7歳)の上位食い込みです。 前走のGIII根岸S(1月28日/東京・ダート1400m)では13着と惨敗を喫しましたが、序盤3ハロンが35秒8という通過時計を見て、同馬の出番はないと思いました。なにしろ、この時計は過去10年で最も遅いものでしたから。そのうえ、スタートで若干つまずいていました。 そうして、勝ち馬エンペラーワケアをはじめ、中団前目で運んでいた馬でさえ、上がり35秒台の脚を使えたレースとなっては、さすがに出番がありませんでした。実際、4角10番手以下にいた馬の最上位は、13番手にいたアルファマム(8着)。明らかに、前残りによる展開負けと言えます。 過去、フェブラリーSには賞金除外で出走できませんでしたが、昨春のリステッド競走・コーラルS(3月11日/阪神・ダート1400m)の勝利を皮切りに、地方交流GIかしわ記念(5月4日/船橋・ダート1600m)で2着、GIII武蔵野S(11月11日/東京・ダート1600m)でも2着となって賞金を加算。今年は順当にゲートインとなりました。 この中間は、1週前の栗東Cウッド、最終の栗東坂路と、追い切りではともに前走以上のタイムを計時。東京・ダート1600mの舞台も、3勝、2着3回、3着2回と好相性です。2走前の武蔵野Sではメンバー最速の上がりをマーク。同レース3度目の出走で、自己最高の2着となっています。 7歳となりましたが、衰えは見られません。ペースの上がるGIなら、巻き返しも十分に可能。大駆けがあっても不思議ではありません」
松田記者が注目するもう1頭は、明け4歳の上がり馬だ。 「当初除外対象でしたが、賞金上位馬が次々に回避したことによって、出走のチャンスを得たオメガギネス(牡4歳)です。全5戦のキャリアはメンバー最少。完成度の低さは陣営も認めるところですが、スケール感はGIでも見劣らないものがあります。 2走前に今回と同じ舞台のリステッド競走・グリーンチャンネルC(10月9日/東京・ダート1600m)を完勝。不良馬場だったとはいえ、開催最速タイムをマークしました。好位追走から上がり最速の脚を使えるのですから、その潜在能力は本物です。 前走のGII東海S(2着。1月21日/京都・ダート1800m)出走は、グリーンチャンネルCを使ったあとの反動を考慮してのローテ変更(当初は武蔵野Sを予定)。今回はそこから中3週となりますが、軽快な動きを見せています。 除外の可能性がありながらこの馬を選択したクリストフ・ルメール騎手も、最終追い切りのあと、上々の評価を与えています。あっと驚くシーンがあってもおかしくないでしょう」 今年最初のGIレース。混戦を断つのは、ここに挙げた2頭か。いずれにしても、どの馬にもチャンスがあり、オイシイ配当をもたらしてくれる一戦であることは間違いない。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu