村上春樹、チャールズ・シュルツの言葉をラジオで紹介「人生の選択肢は数多くあっても、僕らが実際に選ぶ道って、結局は限られているんですね」
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。8月25日(日)の放送は「村上RADIO~ソウル・インストルメンタル・グループ~」をオンエア。 今回の「村上RADIO」は、1960年代のソウル・インストルメンタル・グループを特集。ブッカー・T&ザ・MG’sのリーダー、ブッカーT・ジョーンズの自伝『Time Is Tight』を手にした村上さんが、その時代・場所に思いを馳せながらお届けしました。 この記事では「今日の言葉」について語ったパートを紹介します。
今日の言葉はチャールズ・シュルツさんのものです。シュルツさんは漫画「ピーナッツ」の作者ですね。スヌーピーとチャーリー・ブラウンが出てくる漫画。彼はこう言っています。 「人生は10段変速の自転車に似ている。大抵の人は使わないギアをいくつも持っている」 うーん、そう言われればたしかにそうですね。僕もけっこう長く生きていますけど、「考えてみれば、これまで一度も使ったことがなかったよ」というギアが自分の中にいくつもあります。でも「せっかくあるんだから、ひとつ使ってみようか」とか思っても、おそらくはもう使わないでしょうね。ま、いまさら面倒だということもあるけど、所詮はそういうのが人生なんだから。人生の選択肢は数多くあっても、僕らが実際に選ぶ道って、結局は限られているんですね。 それではまた来月。 (TOKYO FM「村上RADIO~ソウル・インストルメンタル・グループ~」2024年8月25日(日)放送より)