丁寧に苗植えを行う参加者

　富山県高岡市福岡地域特産の菅笠（すげがさ）の材料となるスゲ生産の担い手が減少する中、菅笠製作者らが生産に協力する取り組みが始まった。１５日は越中福岡スゲ生産組合（山岸俊清組合長）に所属する山岸営農組合のほ場で、生産者と製作者らがスゲの苗を植えた。 　スゲ作りは、生産組合に入っている山岸営農組合と、個人の生産者約２０人が携わる。担い手の高齢化が進み、過去５年ほどで同営農組合以外の３営農組織が生産を取りやめた。専用の農業機械が普及しておらず、手作業が負担になっているという。今回、県内の菅笠職人らでつくる越中福岡の菅笠製作技術保存会と作業する機会を初めて設けた。 　保存会のメンバーら１２人が参加し、高岡市福岡町土屋のスゲ田（約３アール）に苗を植えた。初めて苗を植えた渡辺愛さん（３９）は市が実施している菅笠作り講座を受講している。「真っすぐにそろえて植えるのが難しかったが楽しくできた。若手の人にも積極的に参加してもらいたい」と話した。収穫は来年７月を予定している。

　山岸組合長は「多くの人に手伝ってもらい、とても助かった。今後もこの態勢を続けていきたい」と語った。