台北市長、上海代表団に緊張緩和訴え 上海側は団体旅行解禁で秋波
台北市と上海市による都市フォーラムが17日、台北市で開かれた。台北市の蔣万安(しょうばんあん)市長は演説で、中台関係について「対話を増やし、対立を減らす。軍艦や飛行機のごう音が少なくなることを望む」と述べ、両都市の関係強化を通じて、緊張緩和が進むことへの期待を示した。 フォーラムは今年で15回目。新型コロナウイルス禍の影響で、台北での対面形式による開催は6年ぶり。上海からは華源副市長らが出席し、先端医療での協力に関する協定などに署名した。 今月上旬の頼清徳・台湾総統による太平洋島しょ国の歴訪後から、中国が台湾周辺に大規模な艦船を展開するなどし、台湾は警戒を強めた。蔣氏は対中関係強化を重視する野党・国民党所属で将来の総統候補とも目される。 華氏は「両岸(中台)の同胞は家族だ。行き来が増えるほど親しくなる」と述べ、上海市民による台北への団体旅行解禁を進めることを明らかにした。中国は2020年、コロナ禍拡大を理由に台湾への団体旅行客の送り出しを停止。華氏はかつて中国人客が台湾の観光業を潤していたことを踏まえ、台北側に秋波を送った格好だ。【台北・林哲平】