SNSを通じて精子提供をする20代男性。利用者は「さまざまな理由でパートナーとの間に子どもが儲けられない」
精子提供で生まれた子どもがひとり
――先日、SNSで精子提供を受けた女性が、提供者の男性の経歴がウソだったと裁判を起こしたケースがありました。大西さんは、精子提供を受ける方にどこまで個人情報を開示していますか。 名前・住所等の個人情報は非公開です。 身長や、体重などの基本的な情報と、IQ・運動テストの結果、学歴、アレルギー、病気、精液検査結果等は公表しています。僕の実際の容姿に関しては、面談で直接顔を合わせるので、そこで分かると思います。匿名でやっている以上、僕が開示している情報のすべてが真実かどうか、証拠を提示するのは難しいので、そこを理解していただいた上で、精子を提供しています。 ――現在、精子提供によって生まれた子どもは何人いるのでしょうか。 僕が把握してるのはひとりです。1か月に1度「こんなに大きくなりました」と、提供を受けた方から子どもの写真が送られてきます。 ――生まれた子どもは父親が大西さんということを把握しているのでしょうか。 基本的に提供を行った後は、僕からは連絡したり会ったりしないスタンスです。今は子どもも小さいので、僕が父親だと把握していないと思います。 ――もし子どもが将来「父親を知りたい・会いたい」と言ったら? 「会いたい」と言われたら会いますし、自身の個人情報についても開示するつもりです。
取材・文/毒島サチコ