センバツ2022 2回戦 星稜、好投に打線応え /石川
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第8日の27日、星稜は2回戦で大垣日大(岐阜)と対戦、6―2で快勝し、2018年以来の8強入りを果たした。準々決勝は28日の大会第9日第3試合(午後1時半開始予定)にあり、同校初のセンバツ準決勝進出を目指して国学院久我山(東京)と対戦する。【深尾昭寛、隈元悠太、平本絢子】 ◇2ランに応援席歓喜 1回戦に続いてマーガードが先発登板。一回表、相手を3者凡退に抑えると、その好投にその裏で打線が早速応えた。先頭打者の永井が安打で出塁。斉賀の内野安打、若狭の四球で1死満塁の好機で、角谷が左犠飛を放ち、永井が生還し1点を先取した。角谷の父秀二郎さん(42)は息子の活躍を喜びつつも「まだまだ試合は始まったばかり」と気を引き締めた。 1点リードする三回、2死二塁の場面で、4番・若狭が打席に入った。1回戦は無安打に終わっており、入念に打撃を見直してきた成果を見せた。相手の3球目を振り抜くと、白球は高々と上がり、2点本塁打に。スタンドは大いに盛り上がり、若狭の父勝さん(51)は「打ってくれると信じていました」と笑みを浮かべた。 その後も星稜の勢いは止まらず、四回には佐々木の適時三塁打などで2点を加えた。佐々木の祖母政枝さんは「プレッシャーもある中でよく頑張ってくれた」と喜んだ。 五回には大垣日大に1点を返されたが、その裏には安打で出塁した角谷が還り、1点を追加。七回からは中山が継投し、九回に1点を奪われたものの、全体的には安定したピッチングで相手打線を抑え込んだ。2桁安打の快勝で準々決勝進出を果たすと、アルプススタンドは歓喜に包まれた。 「良い投手がそろうチームが相手だが、打ち勝てるようにしていきたい」。雨で試合が1日順延された26日、林和成監督は2回戦に向けてそう狙いを語ったが、まさに言葉通りの試合展開となった。 ◇奈良から応援に 〇…スタンドには、垣淵祥太朗選手(3年)が小学生の頃に所属した少年野球チーム「五条山レパード」(奈良市)の選手や関係者ら約15人も応援に駆けつけた=写真。垣淵選手とプレーした後輩の広岡世良さん(15)は「垣淵選手は(当時から)ずば抜けてうまかった。この試合でもチームに貢献してほしいです」とグラウンドの先輩を見守った。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇勢いつけた1番打者 永井士航選手(3年) 初回に先頭打者として安打を放ち、先制の走者として生還。この日は5打数4安打と大活躍した。「チームの勢いをつけたい。1番打者の仕事をするという思いがあった」と語る。 昨夏、星稜は部員の新型コロナウイルス感染により石川大会途中辞退を余儀なくされ、引退した先輩から「日本一 おれらの分まで」とのメッセージが入った打撃用手袋を託された。先輩の思いを胸に、昨秋は県大会決勝で先頭打者本塁打を放つ活躍を見せた。センバツに向けては「先輩たちや(今年度で退任する)林和成監督に恩返しをする」と意気込んできた。 大垣日大戦ではチーム全体で11安打を放ち、他の打者の活躍も目立った。「マーガードが1回戦で頑張り、2回戦も投げる。今日は打者で勝とうという思いがみんなにあった」と振り返り、「(次戦の相手の)国学院久我山も強いチーム。今日のように自分たちらしく、一球一球集中しながら勝ちたい」と意気込みを語った。【深尾昭寛】