「核兵器で命守れない」 きょう被団協にノーベル平和賞 オスロで田中熙巳さん会見
【オスロ=長崎新聞取材班】ノーベル平和賞に決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれる。被団協の一行は8日(日本時間9日未明)、オスロに到着。式で講演する田中熙巳代表委員(92)は9日、現地で記者会見に臨み「喜びがわいてきている」と語った。 田中さんは、亡くなった被爆者運動の先人に思いをはせ「もう10年早ければ一緒に喜べた。(亡くなった)あなたたちの受賞でもある」と話した。若い世代に向けては「被爆者は『核兵器も戦争もない世界をつくろう』と訴えてきた。未来をこれからどう開いていくか考えてほしい」と呼びかけた。 現在の世界情勢を念頭に「核兵器を使うことが軽く語られるようになった」と残念がり、核抑止論に対して「核兵器で本当に国民の命や財産が守れるのか。私たちは『守れない』と確信している」と反論した。 会見には、他の2人の代表委員、田中重光さん(84)と箕牧智之さん(82)、ノルウェー・ノーベル賞委員会のフリードネス委員長が同席した。 授賞式は10日午後1時(日本時間午後9時)からオスロ市庁舎で開かれる。動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」のノーベル賞公式チャンネルを通じて世界にライブ配信される。長崎市役所ではパブリックビューイングがある。