「おむすび」の恋愛模様 橋本環奈の「きらきら感」
【牧 元一の孤人焦点】恋愛模様は朝ドラの華のひとつだ。11月12日放送のNHK連続テレビ小説「おむすび」第32回で、俳優の橋本環奈(25)が演じる主人公・結が、佐野勇斗(26)が演じる高校球児・翔也に告白しようとする場面があった。 【写真あり】大反響!橋本環奈、25歳の「制服姿」 演出を担当した野田雄介さんはこの高校生同士の恋模様についてこう話す。 「演出的にあまりこねくり回さず素直にやろうと思った。演じる橋本さんと佐野さんは近い感じで通り抜けている2人だし、台本の世界観もとてもはっきりしている。2人とも方言で、それぞれキャラクターを背負っている。『糸島の風景に助けてもらいながら素直に』という演出だった」 あの場面で、結が「うち、四ツ木くんのことが」と告白しようとすると、翔也は「ごめんなさい」とさえぎり「交際できません」と言う。物陰で見守っていた「ハギャレン」の仲間たちが「ありえないから」と割り込み、結が「もういい。うち、帰る」と怒りをあらわにすると、翔也は言い訳を始め、「おれが甲子園に行ったら『米田結が好きだ』と告白する。それまで待ってくれ」と事実上の告白をする。 野田さんはこの場面の撮影についてこう振りかえる。 「橋本さんと佐野さんには『結も翔也も恋愛に慣れていない』という話をした。結はあまり自分のことを他人にさらけ出さずに生きて来て、それまで誰かを好きになって告白したことはほとんどないだろう。一方、翔也も本当に野球一筋で生きてきた男。その2人が思いを語り合う時、未経験ゆえの初々しさを前面に出してほしいと思った。2人とも乗って演じてくれて、高校生らしい感情の出し方を意識して表現してくれた。撮影は楽しかったし、見ていただく方々にも微笑ましく感じてもらえるのではないかと思う」 結はこれまで、自分の生き方に悩み、浮かない表情を見せ続けて来た。「糸島フェスティバル」でハギャレンの仲間たちとパラパラを披露した時の溌剌とした表情は例外だ。ところが、翔也への恋心に気づくと、にわかに思春期の女性らしい表情を見せ始めた。 今週(第7週)の結は、第6週以前より美しく輝いて見えるように撮影されたのではないかとさえ思わせる。 野田さんはこう話す。 「私たちは常に可愛く撮ろうと思っていて第7週が特別ということはない。ただ、橋本さんは結の気持ちが解放された部分を根っこで作ってくれた。その解放感が表情のきらきら感に出た気はする」 彼女の表情を楽しめる回がしばらく続きそうだ。 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。