ピンのアイアンを買うならどっち? 同じロフト設計の『ブループリントS』と『i230』を比較【ヘッドデータ分析で判明】
GD データだけでなく実際の個人の感覚と擦り合わせながら吟味すれば、良いオプションのひとつとしてコンボも有効なわけですね。『ブループリントS』がおすすめのゴルファーをお願いします。 松尾 見た目が小ぶりでとても構えやすく、軟鉄鍛造の手に残る打感が心地良いです。ロフト角が寝ているおかげでスピンが入り、しっかり上からボールを止められます。しかしロフト角の設定上、飛距離性能やミスヒットへのやさしさのようなお助け機能があるアイアンではありません。これらを踏まえるとある程度、自分が意図したクラブ操作が出来るゴルファーが使いこなせるアイアンでしょう。
飛び系にはない打ちやすさ!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO MODUS TOUR105」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。
クラブ長さが37.06インチと標準的ですが、クラブ重量が412.8グラムと「やや重い」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが268万g・㎠と「やや大きく」なっています。 計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが、「44m/s」くらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。 ヘッド形状は前モデルからフェースが長くなっており、構えた時の安心感がありながら、全体的に小ぶりなヘッドとストレートネックが相まってプロモデルらしい精悍な顔付きです。 実際に試打したところ、前モデルから長くなったフェースとソールの幅が少し広くなったおかげで、プロモデルでありながらやさしさ感が増した印象を受けました。さらにリーディングエッジとトップラインが少し丸みを帯びている設計から、アドレスで球を包み込むイメージが出ています。
試打シャフトは適度にしっかりしており、ダウンブローにも耐えてくれるハリがあります。リアルロフト角は32.8度設定で、最近の流行であるストロングロフト設定ではないので、フェアウェイのあるがままの状態からでも球は上がりやすく、小さいヘッドながら打っていてとてもやさしく感じます。 ソールのバウンス角が8.8度と米国メーカーらしく大きい設定で、ダウンブローに上から打ち込むスウィングと相性が良く、ソールの抜け感が良かったです。ラフやライの悪いところからでもボールにコンタクトしやすいはずです。 ヘッドが軟鉄系素材なことからインパクト音は低く、打感が軟らかく気持ちのいいフィーリングでした。 ネック軸回りの慣性モーメント(基準値:5500~5999g・㎠)が5141g・㎠とやや小さい設定なので、ヘッドの操作性が良くインテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作しやすくなっています。 スピンもきちんと入り、キャリーが安定しています。ボールを上げやすく上からグリーンを狙い止めやすいので、モデル名に付いている“S“の文字通りスコアメイクに役に立ちそうなアイアンです。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月20&27日合併号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト