神戸に落ちた「模擬原爆」の着弾地点は？ 79年前の謎に迫る大学院生/兵庫県
摩耶山から見つかった8つの金属片 当時落とされた模擬原爆か？
掘り出されたのは、さびや土がこびりついてこげ茶色になった金属片。 大小合わせて8つの金属片は、どれも爆弾として使われたものに似た特徴を持っていました。 【西岡孔貴さん】 「端の方が若干不規則な形になっているのが爆弾の(破片の)特徴 紙を破いたような感じで入り組んだ断面になることが多い」 この金属片は模擬原爆か、それとも。 西岡さんは、専門の業者に依頼し、成分の分析を行うことにしています。 【西岡孔貴さん】 「出来事自体は過去のことだけれども、それに対するアプローチの方法が年代が経つにつれ増えている 過去の出来事だけれども現在進行形の課題として認識して、いろいろ調査する意味がある」
当時を知る男性から証言も
終戦から79年。戦争を体験した人は少なくなってきました。 そんな中、当時、模擬原爆を見たという男性に話を聞く機会が訪れました。 芦屋市に住む永江勲さん、99歳。 当時、勤労動員で須磨区に住んでいる時に近くに模擬原爆が落ちるのを見たといいます。 【西岡孔貴さん】 「当時 パンプキンを見られた時の状況を聞かせてもらえますか」 【永江勲さん】 「あれは7月24日ですか 防空壕に入ろうと外へ出た時に飛行機を見た 西の方の空からB－29がピカッと光るのが見えた 『来た来た』と見ていたらパッと黒いものを落とした それが爆弾ですよね 目の前の20～30メートル上ですか 通り過ぎて1キロ少し先に落ちました」
「模擬原爆は今の時勢の問題を考えることにつながる」
2度と繰り返してはならない歴史。 その真実に、今、ひとりの若き研究者が光を当てようとしています。 【西岡孔貴さん】 「当時の問題が今の時勢でも国際的な核兵器の問題や、そうしたところにつながっていると考えるきっかけとして模擬原爆のことを皆さんに知っていただいて、後世の人にも残していける取り組みにもつなげたい」
