戦国~江戸期に神社奉納「石造こま犬」違い比べて あわらで特別展
福井県あわら市内の神社に奉納されたこま犬に焦点を当てた特別展「越前特有の石造狛犬(こまいぬ)大集合!」(福井新聞社後援)が7月27日から、市郷土歴史資料館(春宮2丁目)で開かれている。戦国時代奉納の県内最古から江戸時代後期までの26点(68体)が時代順に並べられ、顔つきや髪形、歯などの違いが楽しめる。10月27日まで。 10年間、調査研究をしてきた九千房(くせんぼう)英之館長によると、こま犬は本来「獅子・こま犬」と呼ばれ、神社の本殿近くに置かれ神様を守る役割がある。江戸時代以前の石造こま犬は全国的にも珍しく、市内には524体あり全国屈指の数。 県内最古の「沢春日神社石造狛犬」は1515年奉納。高さ50センチ程度で威厳のある顔つき。県指定文化財になっている。国内で5番目に古いという。「波松白髯(ひげ)神社石造小狛犬群」の愛らしい20体は、いずれも高さ15センチ未満。同神社には同様の大きさのこま犬が123体あり、九千房館長は「北前船の船乗りが航海安全のお礼として奉納したのでは」としている。 市内に伝わる戦国時代~江戸時代の多くは笏谷石製だが、「宮谷八幡神社石造狛犬」は高塚区(細呂木地区)の高塚石(砂岩)が使われたと考えられている。笏谷石製よりも加工が難しといい、すっきりとした顔立ちで肩幅が狭い。 26日、報道機関向け内覧会があり、九千房館長は「県外の人はもちろん、地元の人にも福井、あわらの石造こま犬の文化に触れてほしい」と来場を呼びかけている。午前9時半~午後6時(最終入館同5時半)で、毎週月曜、第4木曜日が休館(祝日の場合は翌日)。入場料は一般300円、中学生以下、市内の高校生、70歳以上、障害者は無料。