MS&ADが成長投資に2.1兆円、政策株売却額の6割-海外拡大やDX
(ブルームバーグ): MS&ADインシュアランスグループホールディングスは27日、政策保有株約3兆6000億円(時価)の売却で得る資金のうち、2兆1000億円程度を成長投資に振り向けると発表した。米国やアジア事業拡大のほか、外国債券やオルタナティブ(代替)資産などに充てる方針だ。
公表資料によると、成長投資の想定先として、このほか収益源の多様化や、デジタルフォーメーション(DX)を含む生産性向上のための投資などを挙げた。一部は「純投資」先として保有する。成長投資のほか、8000億円程度(グループ修正利益の50%)を株主還元に回す方針も示した。
同社は30年3月末までに政策株をゼロにすると宣言しているが、売却資金の使途を公表したのは初めて。今期(25年3月期)については、6750億円の売却により5500億円程度の利益計上を見込んでいる。
また同時に来期(26年3月期)のグループ修正利益見通しを上方修正。今期の同利益計画6300億円を21%上回る7600億円に引き上げた。22年に公表した中期経営計画では4400億-4700億円としていた。
27日の同社の株価は前営業日比一時3.7%高の3306円と上場来高値を更新した。
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Nao Sano