米国株の「バフェット指数」が過去最大に!今買うと割高?指数の活用について解説
「投資の神様」と称されるウォーレン・バフェット氏の名前が付けられている「バフェット指数」をご存知でしょうか。今年9月末時点で、米国株のバフェット指数がおよそ2倍と、過去最高となったことが報じられました。 【画像】20代夫婦の平均年収や貯蓄額 このことが何を表すのか、強いアメリカ株の値動きは続いていくのかなどについて今回はお伝えします。
バフェット指数とは
バフェット指数(Buffett Indicator)は、投資家ウォーレン・バフェット氏が株式市場の割高・割安を判断するために参考にするとされる指標で、バフェット氏が重視したことからこの名前が付けられました。「市場全体の評価」と「実体経済の規模」を比較するもので、具体的な計算式は「当該国の株式時価総額÷当該国の名目GDP×100」です。 一般的にはバフェット指数の数値が100%(1倍)を超えるとその国の株価は割高だと判断され、100%を下回れば割安だと判断されていますので、2倍という今の指数から見れば、米国株価はかなりの割高だと言えます。 2000年のITバブル時にはバフェット指数が200%近くまで上昇、2008年のリーマンショック前もバフェット指数は急上昇していたことから、市場の過熱感は意識しておいた方が良いかもしれません。 ただ、足元でトランプ大統領が再選をし、政策期待からトランプラリーと言える上昇が起きていること、コロナ禍での異次元のバランスシートの拡大など市場で金余りの状況となっていること、アメリカでは利下げがスタートして金融商売入りしていることなど外部環境も重要ですので、あくまで一つの参考として見ておくと良いのではないでしょうか。 バフェット指数が高水準にあるときは、短期のリスクに備える一方、長期的な市場の成長可能性を考慮しながら、分散投資やリスクヘッジの戦略を検討することが重要です。
GDPとの関係
長期投資を検討する際に「過去30年以上の超長期で見てもアメリカの株式市場は成長し続けている」という話を聞いたことがある方も多いと思います。実際に機関投資家が運用指標とすると言われるS&P500のチャートは上下動しながらも右肩上がりに上昇しています。 足元でも“トランプラリー”を受けてS&P500が初の6000ポイントに乗せてくるなど、米主要3指数は過去最高値を更新しており、米国株の時価総額が拡大し続けています。 では「名目GDP」はどうでしょうか。GDPは日本語では「国内総生産」と呼ばれ、国内で生産されたモノやサービスの付加価値を表します。名目GDPはその生産数量に市場価格をかけて生産されたものの価値を算出するもの。物価変動を考慮せずにその時の市場価格でGDPを評価したものといえます。一方、「実質GDP」は、名目GDPから物価の変動による影響を除いたものです。 2023年の米国の名目GDPは27兆ドルと世界最大で、米国経済は基本的に堅調な成長で推移しているといえます。一方、バフェット指数で見れば、名目GDPの堅調な成長より株式市場の上昇の力が強く時価総額が大きくなるほど指数も大きくなる(株価が割高になる)ということになります。