中国人民銀、国債購入を一時停止 元安是正が目的との見方
[上海 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は10日、国債の供給不足を理由に国債の購入を一時的に停止したと発表した。発表を受け、国債利回りが急上昇。人民元安是正が目的との見方が出ている。 人民銀は国債市場の需給状況次第で購入を再開すると説明した。 30年債利回りは取引序盤に5ベーシスポイント(bp)上昇、10年債利回りは4bp上昇。いずれも最近、過去最低を更新した。元も小幅に上昇した。 みずほ銀行のアジアFX担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は「元安の主な理由の一つは、中国と米国の利回り格差の拡大であるため、人民銀は利回りがこれ以上低下することはないとのシグナルを市場に送っている」と述べた。 上海安放私募基金管理のリサーチディレクター、黄雪峰氏は「市場は(良い投資機会が不足している)資産飢餓の状況と格闘し続けている」ため、債券利回りの低下傾向は続くと予想している。 人民銀の機関紙・金融時報は10日、あるエコノミストの発言として、市場は金融緩和に対する過度な期待を持つべきではないと伝えた。