若元春、2場所連続勝ち越しへ 大相撲九州場所、若隆景は三役復帰期待
大相撲九州場所は10日、福岡市の福岡国際センターで初日を迎える。福島市出身で「大波3兄弟」の次男若元春(31)=本名大波港、学法福島高卒、荒汐部屋=は東小結として2場所連続の勝ち越しを目指す。三男若隆景(29)=本名大波渥、学法福島高卒、荒汐部屋=は東前頭2枚目で臨み、4場所連続の2桁白星で三役復帰に期待がかかる。5日は福岡県志免町で時津風部屋との合同稽古をし、今年最後の本場所に向けて士気を高めた。(小野原裕一)
若元春、上位に負けない
3場所ぶりに三役の一角、東小結として臨む若元春。他の力士からマークされる立ち位置に戻ったが、そんな周りの視線に流されることなく泰然自若に調整を進めている。時津風部屋との合同の朝稽古も「今日はまだ、ぼちぼちです」と穏やかな表情を見せた。 5月の夏場所で右足親指を負傷したことを感じさせない稽古内容だった。四股やすり足の基礎運動で体を十分にほぐすと、勝ち残り形式の申し合い稽古では気迫のこもった取組で土俵に鈍い音を響かせた。ぶつかり稽古では幕下力士に胸を出すなど、約3時間汗を流した。 1月の初場所以来4場所ぶりの2桁で、11勝を挙げた9月の秋場所を「番付や星のことを考え過ぎず、ここ最近の中で自分の相撲を出せた場所」と評価する。磨き抜いた得意の左四つに加え、立ち合いでも当たり負けしない鋭さが土俵に戻ってきたことが飛躍の要因という。九州場所でも培ってきた軸をぶらすことなく挑む姿勢だ。 東小結として上位陣と総当たりの地位に戻ったことで、より真価が問われる九州場所になる。若元春は「本場所初日に向け、徐々に気持ちとギアを上げていければ」と語る。三役復帰を経て関脇、そして初の大関昇進への期待も高まる。まだ見ぬ景色を見るまで、歩みを止めるつもりはない。
若隆景、次も2桁
初場所の幕下筆頭を経て、東前頭2枚目で九州場所を迎える若隆景。直近3場所で十両優勝や殊勲賞を受けるなど破竹の勢いで番付を上げてきた。「しっかり集中して自分の相撲を取りたい」と誓った。 2022年の春場所で賜杯を手にした。しかしその1年後、東関脇だった春場所の取組で右膝に大けがを負い、続く夏場所から3場所連続で休場。番付を幕下まで落とした。 本場所の土俵に初めて復帰したのが昨年の九州場所だった。 右膝の状態を「いい感じ。ここから上げていける」と受け止める。時津風部屋との合同稽古には右膝に軽いテーピングを施した程度で臨み、申し合い稽古でも下からの圧力と横の動きの鋭さを見せ付けた。 九州場所に向けて「久々の上位。しっかり準備していく」と若隆景。土俵の主役に向け、復活への道を進んでいる。
福島民友新聞