40代独身で、家族は「両親のみ」です。「月3万円」の生命保険を支払っていますが、独り身では多すぎるでしょうか? 手取り「30万円」であれば内容を見直すべきですか?
生命保険は、病気やけがなどの不測の事態や万一の事態に備え、お金の不安から身を守るための重要な手段です。しかし、周囲の人に生命保険料を毎月いくら払っているか具体的に尋ねるのは難しく、自分が払っている金額が妥当かどうか、判断しづらいかもしれません。 実際に、「毎月多くの保険料を支払っているけれど保険の詳細は把握していない」、「あまり考えずに保険に加入した」という人も多いようです。本記事では、40代独身で家族は両親だけ、手取り30万円の会社員Aさんが毎月3万円の生命保険料を支払っているケースを例に、適切な金額について考えてみましょう。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
生命保険金額は残された家族が必要とするお金の「不足分」から考える
ここでは、生命保険=死亡保障という前提で考えます。簡単に言えば、被保険者が死亡した際に保険金や給付金を受給できるということです。では、どのくらいの保険金額が保障されていれば大丈夫なのでしょうか。死亡保障の金額を検討するときには「必要保障額」という考え方を理解しておくことが重要です。 必要保障額とは、残された家族が必要になるお金から、今後入ってくるお金を差し引いた金額です。必要保障額が大きいほど、不足する資金が多いことを示しています。 必要なお金には、被保険者の葬式費用、残された家族の将来の生活費、子どもの教育費などが含まれます。一方、得られる収入の例としては、遺族年金、就労収入、死亡退職金、貯蓄(相続資産)などが一般的です。 具体的には以下のように項目ごとに試算していきます。以下は、3歳の子どもが1人いる会社員の夫・パートで働く妻の3人家族で、夫が死亡した場合の大まかなイメージです。実際には各項目はさらに細かく検討する必要がありますがここでは省略します(例えば生活費なら、子どもが独立するまでは現在の生活費の70%、それ以降は50%×平均余命から試算するなど)。 【必要保障額の具体例】 1. 今後必要な資金:1億5650万円 生活費:8000万円 住居費:6000万円 教育費:1500万円 死後整理資金:150万円 2. 今後の収入:1億1100万円 遺族年金:5000万円 老齢年金:1800万円 死亡退職金:300万円 就労収入:3000万円 貯蓄:1000万円 3. 必要保障額(1-2):4550万円 それぞれの家庭の状況によって異なりますが、この例とは違い、残される家族が両親だけであるAさんの場合、必要保障額は一般的には小さいと考えられます。両親がまだ現役世代で働いている場合はもちろん、すでに年金生活を送っている場合でも、今後の生活に問題がなければ死亡保障は不要ということも十分考えられます。 Aさんの場合、残される両親の今後の生活費が就労収入や年金などでまかなうことができれば、必要保障額は0円ということになります。