道路の段差、音声で回避 被災地の除雪車万全
●県対策会議、小型4台も配備 石川県は今冬、奥能登4市町での道路除雪作業に、自動音声によって除雪車のオペレーターに危険箇所を通知するシステムを本格導入する。地震や豪雨で多数の段差や起伏が生じたことから、安全かつ迅速に作業を進める狙い。土砂崩れなどで幅員が狭くなった道路向けには小型除雪車4台を配備し、被災地の冬場の交通確保に万全を期す。 ●GPS使い通知 22日、県庁で開いた対策会議で方針を示した。 音声ガイダンスは衛星利用測位システム(GPS)を活用し、除雪車が段差や起伏に近づくと、映像や音で注意を伝える仕組み。県内では2022年度に試験導入された。昨季まで奥能登向けは2台程度だったが、今冬は24台に増やす。 小型除雪車は、雪を押し出す排雪板の幅が2・5メートルで、通常の3・7メートルと比べて小さい。地震や豪雨による斜面崩落で1車線分しか通れなくなった区間で運用する。降雪期に備えた道路の改良も順次進める。 奥能登を含む県全域では、除雪が完了した区間をドライバーがホームページで確認できるようにする。 今年度の計画は、県全体の除雪対象が223路線2186・2キロ。県によると、地震や豪雨で通行止めの区間がある一方、融雪装置が使えず、新たに除雪車を走らせる区間があり、総延長は昨年度と同水準となった。 国土交通省金沢河川国道事務所は車道206・2キロ、歩道48・8キロを計93台で除雪する。県や同事務所、中日本高速道路金沢支社は大雪が予想される際、予防的に通行止めを行い、集中除雪も行う方針。 ●冬の対策車両展示 対策会議に先立ち、県庁西駐車場に除雪車や凍結防止剤散布車など6台が展示された。