アンドルー英王子、スパイ疑惑の中国人実業家との関係巡り批判再燃
Michael Holden [ロンドン 14日 ロイター] - チャールズ英国王の弟アンドルー王子は、親しい関係にあった中国人実業家が英政府にスパイと疑われていたことが明らかになり、再び厳しい批判にさらされている。 アンドルー王子は13日、この人物との 「全ての接触を断った」とする声明を発表した。「公式なルートを通じてその人物と会っており、機密事項に関する話は一切していない」としている。 英裁判所は12日、「H6」としてのみ知られている中国実業家が自国政府のために英国の著名人と密接な関係を築く目的で秘密裏に活動していたとして国家安全保障上の理由で入国を禁止した英政府の判断を支持した。 デイリー・テレグラフ紙は、中国の資金がアンドルー王子に渡った疑いについて英諜報機関MI5が調査していると報じ、タイムズ紙は王子がバッキンガム宮殿、ウィンザー城などに実業家を招待したと伝えた。 またミラー紙は、MI5からこの問題の説明を受けたチャールズ国王が「非常に憤慨している」と報じた。 在英中国大使館はこの事件について、中国を中傷し正常な協力関係を妨害しようとするものだと主張した。 アンドルー王子は、児童買春の罪で起訴されて勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告との関係を巡り、2019年から公務を退いている。王室の称号、軍の名誉職や慈善団体の役職も22年に剥奪された。 裁判所の文書によると、中国人実業家は王子について「絶望的な状況にあり、何にでもすがるだろう」と話していた。