IAEA理事会、イランに協力改善求める決議採択
Francois Murphy [ウィーン 21日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)の理事会は21日、イランに対してIAEAとの協力を早期に改善するよう求める決議を採択した。イランで「未申告の核物質が存在あるいは使用されている可能性に関して」包括的な報告書を作成するようIAEAに求めた。 米英仏独の4カ国が提案した決議案に対してイランは、撤回を条件に高濃縮ウランの備蓄を増やさない対案を示したが、4カ国が受け入れを拒否していた。 理事会の参加者によると、中国、ロシア、ブルキナファソが決議案に反対票を投じた。賛成は19カ国、棄権は12カ国だった。 イランが、未申告施設で検知されたウラン粒子について説明を避け、昨年にIAEAの一部査察官の受け入れを拒否し、IAEAの監視強化も拒絶していることが問題となっている。 ロイターが確認した決議は、イランがウラン粒子について説明を行い、そのサンプルをIAEAが必要に応じて採取することを認めることが「重要かつ急務」との過去の文言を踏襲している。 IAEAには2025年春までの報告書作成を求めた。イランに核活動の新たな制限について交渉するよう圧力をかける効果を米欧側は期待している。