ファンを裏切らないオノフ流の正統進化。グローブライド『オノフ アイアン AKA』【ヘッドデータ分析で判明】
2016年からグローブライドは”やさしさ”と”飛距離”にフォーカスした「AKA」シリーズを展開しています。2024年、6代目となる『オノフ アイアン AKA』を2年振りにモデルチェンジしました。今回のモデルチェンジでどこが変わったのか? クラブ設計家の松尾好員氏は、「継承されている部分と進化した部分がある」と分析。松尾氏が計測した実測値ヘッドデータを基に『AKA』アイアンを検証してみた。
飛び系の『AKA』は健在!
GD グローブライドから2年ぶりに発売された『オノフ アイアン AKA』を前作と比較しながら分析してもらいます。『AKAシリーズ』は“やさしさ“と“飛距離“を考えたクラブ設計をしていると言いますが、新作『AKA』アイアンから何を感じましたか? 松尾 7番アイアンのヘッドデータ(実測値)を比較すると前作から継承されている部分、今作で進化した部分が見えました。 GD 継承されている部分は具体的にどのデータから感じられましたか? 松尾 継承されている部分は2つあります。1つはリアルロフト角です。前作と比較すると前作が7番で28.0度、今作が28.2度に設定されていました。ロフト角を立たせることでスピン量を抑えてボール初速を向上させることを狙っていると感じます。加えてフェース素材に反発力が高いマレージング鋼が使われているので、飛距離を追い求めた設計になっていると言えるでしょう。 2つ目はバウンス角です。前作が1.0度、今作が1.4度と小さい設定です。バウンス角だけでなく(ヘッドをトウ側から見ても)凹凸が少なく、平らなソール形状になっています。 GD バウンス角を小さく設計している理由は何が考えられますか? 松尾 これはリアルロフト角が立っている理由に関係するのですが、ストロングロフト設計でバウンス角を大きく付けると、ソールが跳ねてインパクトでロフトがさらに立ってしまい、打ち出し角が低くなり飛距離が稼げなくなります。『AKA』アイアンのように小さいバウンス角にすることで、ロフトが立ちすぎることなく飛ばすことができます。