米利下げ計画は「軌道から外れた」-ブリッジウォーターのプリンス氏
(ブルームバーグ): ブリッジウォーター・アソシエーツのボブ・プリンス共同最高投資責任者(CIO)は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ計画は「軌道から外れている」と述べた。
同氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、現金同等資産から長期債にシフトする理由はないと述べ、リスクプレミアムが小さすぎると語った。現在の経済成長と持続的なインフレの水準で利下げを行う唯一の理由は、米経済をインフレなしに成長させるような大きな生産性向上があった場合だけだと論じた。
「これまでのところ、今年はFRBや金利市場が考えていたような展開にはなっていない。FRBが利下げの軌道から外れているのは明らかだと思う。問題は、どの程度外れているかだ」と語った。
今年の金融緩和への期待があまりにも先走り過ぎたという見方が広がっている。アトランタ連銀のボスティック総裁は9日、今年1回利下げを行うとの見通しを繰り返したが、経済情勢が変化すれば見解を変更する用意があると付け加えた。
当局が3月に発表した「ドット・プロット(金利予測分布図)」は、年内に3回の0.25ポイントの利下げを実施するという当局者の見通しを示した。しかし、堅調な経済データを受けて投資家はその見通しに疑問を抱き始めており、市場は65ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げしか織り込んでいない。
原題:Bridgewater’s Prince Says US Rate-Cut Plans Are ‘Off Track’ (1)(抜粋)
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Greg Ritchie