THE YELLOW MONKEY「最新にして原点回帰」4人が語る10thアルバムへの自信と東京ドームの景色
10曲目「MakeOver」を作詞作曲したギターの菊地英昭は「自分たちの活動休止やコロナでいろんなことがあって、歌詞を書かせてもらうなら形にしようかと。世界中では戦争も起こって、人は道を踏み外すけど、Pura Vida=素晴らしい世界に向けてちょっとでもいいから歩み出そう」と曲に込めたテーマを明かす。 吉井は「歌詞を手伝って言われたけど、エマ(菊地英昭)の歌詞には独特の男っぽさがあるのであえて一人で書いてもらって。そうしたら自分からは出ない言葉があって、それを歌う楽しさもありました。エマの曲はもっとイエローモンキーの中で確立されていくと思う」と喜んだ表情を見せた。 さらに、弟の菊地英二についても「兄貴の曲になると抜群の手腕を発揮する。僕の曲はつまらないんだろうね(笑)」とイジりつつ、「イエローモンキーの中に“菊地家”という新しいジャンルができつつある」とバンドのさらなる可能性に期待した。 4人は「これまで応援してくれたファンはもちろん、若い世代にも聴いてほしい」と口をそろえる。サブスク時代となり、アルバム単位ではなく自分の好きな曲を集めたものや、誰かがおすすめするプレイリストを聴く人も多くなった。そんな時代にあえてアルバムとしてリリースする意義を聞かれた吉井は、「アルバムっていう昔のガチガチの考え方は、少しずつ薄れてきてるよね」と切り出して、こう答えた。 「昔は曲間とか次の日にもう1回マスタリングしてもらって『2秒ずらす』とかやってたんですよ、本当に無駄だったと思うし(笑)。憧れだった海外レコーディングも、昔とは違う価値観になって。時代は変わっているので順応していってるつもりではあるんですが、普遍的な集中力が続く時間は、45分とか60分とかだと思うので、今回のアルバムもそのくらいの曲順でシンプルに作りました。聴かれ方は変わってるかもしれないけど、1曲1曲に魅力があって、もう1曲聴いてみたい、突っ込んでアルバムを聴いてみたいなって魅力が明らかにあるアルバムになっていると思っています」 そして、「コロナ前とかは『イントロが長いと飛ばされちゃうよ』って言われて気にしてたんですけど、今はもう気にしなくなって『イントロは長くなきゃダメだ!イントロで1曲なんじゃ!』みたいな(笑)」とベテランロックバンドの矜持ものぞかせながら、「でも試行錯誤はけっこうしながら曲を作っているし、レコーディングでもいろんな見方はしてるつもりではあります」と進化を続けていく決意を宣言した。 今月21日にのデビュー記念日に、ファンに向けた視聴会を東京・名古屋・大阪で開催する(招待イベント、応募フォームは公式サイトより。12日午後11時59分締め切り)。