能登半島地震から5カ月…懸念される「災害関連死」 認定へのハードルにひろゆき「あからさまに違う事例以外は通すべきでは」
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「交通事故みたいなあからさまな事例を除いて、バンバン審査を通してもいいと思う。心の問題はどこかしらに影響していて、“この病気とは全く関係がない”と断言できないので、審査するだけ手間が増えるのではないか」と投げかける。 関連死の認定審査に携わり、今年3月に「災害関連死を考える会」を立ち上げた在間文康弁護士は、「災害関連死は法的には相当因果関係をみている。災害がなければ亡くならなかったという蓋然性、つまり十分起こりうることだと言えるかどうか。その境界に入ってきてしまうケースはどうしても出てきてしまうと思う」との見方を示す。
山川氏は「災害関連死はある意味、支援や防災政策の失敗事例と捉えたほうがいいと考えている。なぜ亡くなってしまったかをきちんと掘り下げることで、なぜ助かったかも見えてくるわけだ。どんな方が認定されるかも大切だが、過去の事例ももう一度精査していく必要があると思う」と指摘した。 今後どういった対策が必要になるのか。在間氏は、仮設住宅から避難生活にフェーズが変わることで、緊張の糸が切れるなどで体調を崩したりすることを懸念する。対策として、住環境の整備や支援、「見守り」強化のためのリソースや予算、個人にあったオーダーメイド型のケア「災害ケースマネジメント」をあげた。
■審査会が個々に判断、ガイドライン策定を求める声も
審査会が個々の複雑な事例を判断するため、自治体から「国が認定基準を設けるべき」との声もある。ただ内閣府は統一的な基準を策定せず、代わりに過去の認定例などをまとめた「災害関連死事例集」を2021年に作成。そこには、東日本大震災や熊本地震の行政基準なども掲載されている。 在間氏は「災害弔慰金という制度、災害関連死を考える際、先ほどの相当因果関係という考え方でいいのかは議論されていいと思う。これは誰かに責任を負わせることが目的ではないので、もっと低いハードルでもいいのではないか」との考えを述べる。 自民党で元デジタル副大臣の小林史明衆議院議員は「認定の基準も窓口も自治体ごとという状態だとこの問題は解決しないので、緊急時には国が責任持って災害・被災地対応をすると決めたほうがいい。ひろゆきさんの“基本的にOKしたらどうか”という提案もおおむね賛成で、まず弔慰金でお支払いするのがいいと思う」とコメント。 一方で、「ご理解いただきたいのは、行政が後で必ずチェックを受けること。会計検査院などから“やっぱりこれまずかったよね”となると、2年後ぐらいに報道でものすごく取り上げられる。担当省庁の人たちは大変つらい思いをするわけだ。公金である以上、皆さんから指摘を受けないようにやろうという方向に動くので、その構造から変えていく必要がある」とした。(『ABEMA Prime』より)