農林中金の巨額損で有識者検証会が初会合、米欧利上げ時対応に意見も
(ブルームバーグ): 農林中央金庫が巨額の運用損失を計上する見通しとなったことを受けて発足した農林水産省の有識者検証会が27日に初会合を開き、市場運用体制などに関して検証を始めた。
農水省の担当者によると午前10時から始まった会合の冒頭、同省は農林中金は財務の健全性を確保しているとした上で、資産運用やガバナンス体制について検証や分析が必要と指摘。農林中金の担当者からは足元の経営状況や農業・食料分野への投融資の取り組みについて説明があったという。
検証会の委員からは、米連邦準備制度理事会(FRB)など各国の中央銀行の利上げ時の対応や農業・食料分野への投融資などについて意見が出た。会合は約2時間にわたった。
検証会の座長はグローカル政策研究所代表理事の川村雄介氏(元大和総研副理事長)が務め、委員には稲野和利氏(元日本証券業協会会長)や明治学院大学教授の佐々木百合氏ら金融、農業の分野の専門家が加わった。農林中金の奥和登理事長らもオブザーバーとして参加している。次回会合の日程は未定。
坂本哲志農水相は24日の会見で、検証会の目的について「将来に向けて農林中金の資金運用をよく分析し、課題を明らかにしていきたい」と述べていた。同省によると配布資料も原則として非公開だが、議事概要はホームページに掲載するとしている。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Taiga Uranaka