冬の暗闇、頼りは枕のにおい 神奈川県警のベテラン警察犬2頭、不明の高齢者を発見
行方不明になっていた80代の男性を発見したとして神奈川県警三崎署は16日、警察犬2頭を表彰した。発見当時、男性は衰弱が激しく、歩けない状態だった。 【写真】行方不明の男性を発見した「ユパ」と「ゼブラ」。ともにベテラン犬 表彰されたのは雄で8歳のジャーマンシェパード「ユパ」(湯山孝昭巡査長担当)と、雌で7歳のラブラドルレトリバー「ゼブラ」(上野和仁警部補担当)。 署によると、2頭は2日午前1時50分ごろ、三浦市白石町にある寺の境内の生け垣裏側で、捜索中の男性を発見した。男性は病院に運ばれ、命に別条はなかった。 男性は前日の昼ごろに外出したが夜になっても帰宅しないため、家族が同署に行方不明者届を提出。同署が捜したが見つからず、県警本部に警察犬派遣を要請した。2頭は暗闇の中、男性の枕のにおいを頼りに30分ほど自宅周辺を捜索し、ユパが人目につかない場所で横たわっている男性を発見した。男性は日頃から足腰が弱かったという。 副賞にドッグフードをもらった2頭はベテラン犬で、ゼブラは10度目、ユパは19度目の表彰。堀川康一郎署長は「日々の訓練の成果が生かされ、最悪の事態を免れた」とたたえた。
神奈川新聞社