豊洲市場の追加対策工事「安全性が確保された」と評価 ── 専門家会議
10月に開場する豊洲市場の土壌汚染対策を検討してきた東京都の専門家会議は30日、同市場で記者会見を開き、都が行った土壌汚染の追加対策工事について、「工事によって安全性が確保された」と評価した。小池百合子都知事には同日午前、評価結果を伝えたという。
平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)は、「地上の安全性は確保されている。市場を使う上で人や食品に影響を与える状態ではない」と安全面で支障はないとの見解を示した。 専門家会議が昨年6月に都に提案していたのは、「盛土の替わりとなる地下ピット工事」「地下水管理システムの機能強化」「連絡通路部の汚染ガス濃度対策」の3つ。都は7月12日までにこれらの工事を完了、専門家会議が7月20日に会議を開いて、これら3点の効果を検証していた。 「地下ピット工事」について、専門家会議は「床面のコンクリートから水銀などの汚染ガスの侵入がなく、設備の維持管理を適切におこなえば、盛り土と同等の機能を果たせる」とした。 「地下水管理システム」についても、地下水排水量のデータから機能の強化が確認できたと判断。 「連絡通路部の汚染ガス濃度対策」については、「工事完了後は、汚染ガスの濃度は問題のないレベル」と評価した。
都は、追加対策工事で設置した各設備の管理方針案を策定しており、専門家会議はこの案についても「案の内容は妥当であり、確実に実施していくことが重要」とした。 専門家会議は、7~9月にも都が行う豊洲市場の大気・地下水調査の結果に対する評価を行う予定。 小池知事は、豊洲市場の「安全宣言」をワンフレーズでは行わないとしており、市場関係者に対し、どのように説明するかが注目される。 (取材・文:具志堅浩二)