医療崩壊回避へ大阪府が「フォローアップセンター」 症状に応じて患者振り分け
感染拡大に備え医療体制の整備進める大阪府 患者を振り分けるフォローアップセンターとは
新型コロナウイルスの感染者が全国で増え続ける中、政府の専門家会議が「オーバーシュート(感染者の爆発的拡大)が起こる前に医療崩壊が起こり得る」と警告するなど、医療の受け入れ体制の整備が急務となっている。そうした状況の中、大阪府は先月中旬から感染症専門の病院を効率的に稼働させるための調整を行う「入院フォローアップセンター」を稼働させている。 【中継録画】大阪の府立学校は5月6日まで休校延長 吉村府知事会見
「高度病床」「一般病床」などに振り分け
大阪府によると、フォローアップセンターは感染者急増によるベッド不足に対応すべく、新型コロナウイルスの陽性患者を「重症」「軽症」「無症状」に分け、その症状に応じて、感染症の指定医療機関などの「高度病床」や「一般病棟」「閉鎖病棟の活用」に振り分ける司令塔としての役割を担っている。
最終的には「3000床」の確保目指す
大阪府の吉村洋文知事は、1日の定例会見などで、600の病床を確保したと明らかにした。 しかし感染者の増加によって、軽症者については、休床した病院を復活させ、そこに入院してもらっているケースもすでに発生しているという。 病床の確保について、吉村知事は「これはオーバーシュート前にやっとかなくてはいけないこと」といい、廃止した病院を稼働させることで計1000床を確保する目途がついているとも話した。 さらに、この数日間はオーバーシュートが始まったという最悪の状況を想定し、重症者対応の300床を含め、最終的に3000床の確保を目標に調整を続けている。
軽症者らは自宅か宿泊施設で療養へ
こうした取り組みと合わせて、吉村知事は2日に開かれた大阪府の「新型コロナウイルス対策本部会議」後の会見で、軽症者らには自宅または宿泊施設で療養してもらうとの方針を表明した。 「軽症者の中でも『これは自宅療養で大丈夫』という方や、中等症に近い軽症の方もおられる。軽症の方については自宅か宿泊施設へ現実に動かしていくべき時期だと思う。そうすることによって病院のベッドが空くので、重症の方も受け入れることができる」と説明し、「これは今のうちからやっておくべき状況」と強調した。
3日には厚生労働省が、無症状や軽症の感染者は自宅か宿泊施設で療養してもらうというルール変更を各都道府県に通知した。 実際に宿泊施設で軽症患者らを受け入れる場合、吉村知事は、まずは一つの宿泊施設で感染を防止するポイントを含めてノウハウを蓄積させ、ほかの施設に広げていく方針を示している。 軽症者らの宿泊施設の利用については、3日の「第1回大阪府新型コロナウイルス対策協議会」で、専門家の意見などを聞き、最終決定する。