“学校町”という地名…実は全国で新潟だけ⁉ 地理のプロに聞いた“学校町”の古い歴史
地名の整理統合がきっかけで急増!?
では、なぜ戦後に県内で「学校町」が急増したのか。小林さんはこう推測する。 「昭和40年代に全国的な地名の整理統合が行われました。新しい地名を決める時は住民の間で対立やトラブルが付き物ですが、“学校”や“文教”はイメージがいい上に子どもたちの教育に関わる地名なのでなんとなく反対意見を出しにくい。さらに県内の主要都市である新潟市と長岡市にすでに存在する”前例ある地名”であることも、新潟での相次ぐ学校町の誕生を後押ししたのでは」
こうした理由から新潟県内で『学校町』が急増したのかもしれない。 ちなみに「文京町」は1都13県に。「文教町」は6県にありますが、なぜ新潟県以外に「学校町」が一つもないのかの謎は残ったままだ。
なお、全国にもユニークな町名がたくさんある。 北海道旭川市の「パルプ町」、山口県山陽小野田市と大分県津久見市には「セメント町」など、地域で盛んな産業に由来した地名や、愛知県豊田市「トヨタ町」、大阪府池田市「ダイハツ町」、群馬県太田市「スバル町」。変わったところでは仙台市青葉区「ニツカ」、長崎県佐世保市「ハウステンボス町」など企業に由来する地名などもあった。