ハート形くっきり 国天然記念物「法量のイチョウ」(青森県十和田市)見ごろ
青森県十和田市の国道102号沿いにある国の天然記念物「法量のイチョウ」が黄葉の見ごろを迎えた。付近の小高い場所からは、杉林の緑を背景に、黄色いハート形の樹形がくっきりと浮かんで見える。 イチョウの近くに住み、25年余り見守ってきた東北巨木調査研究会の高渕英夫会長(72)によると、今年は珍しく木全体が満遍なく色づいており、今週末がピークと見込まれる。 イチョウは推定樹齢1100年。かつては30メートルを超える樹高を誇っていたが、2016年の台風で最も高い幹が折れた。治療のかいあって樹勢は回復。高さは失ったものの、真ん中がへこんで角度によってはハート形に見えることから、樹木愛好者の間で「イエローハート」と呼ばれ親しまれているという。 1926(大正15)年に当時の内務省が初めて天然記念物に指定した全国のイチョウ5本のうちの1本で、現在の樹高は25メートル。幹周り14.5メートル。 「風がなくても一夜で葉が散ってしまったこともある」と高渕さん。雪が降ると緑のまま落葉することもあり、「日本一気難しいイチョウ」ともいわれているという。