外壁の修繕工事のため、足場が組まれたカトリック佐渡教会の聖堂＝佐渡市両津夷

　築137年に上り、新潟県内最古の教会建築とされる「カトリック佐渡教会（旧・両津カトリック教会）」=佐渡市両津夷=の聖堂を保存しようと、信者ら有志が「守る会」を結成した。老朽化が進む建物の修復作業に取り組み、文化財指定も視野に調査する方針で、活動資金の寄付を呼びかけている。 【写真】カトリック佐渡教会の写真はこちら 　「守る会」によると、佐渡教会は明治以降の佐渡におけるキリスト教の拠点で、聖堂は1887年に建てられた。設計者と伝わるのは、建築家でもあったフランス人のパピノ神父。国の重要文化財「カトリック鶴岡教会」（山形県鶴岡市）の聖堂を設計するなど、国内の多くの教会建築を手がけた。隣接する司祭館も、聖堂と同時期に建てられたとみられる。 　佐渡教会の聖堂は、緑青の尖塔（せんとう）と白い壁が特徴。瓦も使うなど和洋折衷で、入り口天井には、幕末から明治の近代建築に見られる「菱組（ひしぐみ）天井」がある。屋内は畳敷きで、和の要素が濃くなっている。 　現在は外壁塗装のはく離が顕著で、化粧柱の腐食も進んでいる。放置すると修復が難しくなることから、9月下旬から外壁の修繕工事に入った。専門家による文化的価値の調査も行っている。 　「守る会」は8月に結成し、メンバーは島内の信徒ら10人ほど。代表で医師の本間義章さん（86）は「建物が壊れていくのを黙って見ていられなかった。歴史ある祈りの場を後世に残したい」と話す。 　副代表の坂田伸子さん（65）は、両津地区の散策スポットとして人気があり、「佐渡島（さど）の金山」の世界文化遺産登録を機に、インバウンド（訪日客）の訪問増も見込まれると指摘。「キリシタン塚への聖地巡礼と併せ、観光や地域振興にもつながる」と価値を語った。 　毎月第3日曜には午前9時半からミサを開いており、午前10時半ごろからは聖堂内の一般見学もできる。 　寄付の振込先は第四北越銀行両津中央支店で、口座番号は普通6303639。口座名はカトリック佐渡教会。