水原一平氏「違法ギャンブルで球団解雇」…弁護士が指摘「大谷翔平が捜査対象になる」最悪のケース
ロサンゼルス・ドジャース・大谷翔平(29)の通訳を務めた水原一平氏(39)が、3月20日にドジャースを解雇された。衝撃のニュースは米国でも多くのメディアによって報じられているが、スクープをした『ロサンゼルス・タイムズ』の記者が背景を語っている。 【思わず二度見】選手と通訳の関係以上…大谷翔平と水谷一平氏「車内での親密」写真 大谷のカネを「大規模窃盗」した疑いのある水原氏について取材をしたグスタボ・アレラーノ記者は、地元テレビ局の『FOX11ロサンゼルス』に出演し報道にいたった経緯を話した。 「アレラーノ記者によると、南カリフォルニアを拠点とする違法ギャンブルの捜査が長年にわたって行われていたそうです。取材を進めると、違法ギャンブルに関わった人物の一人に『大谷翔平』の名前が浮上していることを知ったとか。 大谷の代理人にそのことを質問したところ、『我々が独自に調査をしたうえでプレス発表を行う』との回答を受け取ります。同時にほかの情報提供者からは、水原氏が直接説明をすると聞き、結果としてドジャースが発表することになったそうです」(現地駐在記者) 米国ではスポーツ賭博は38州で合法だが、カリフォルニア州では違法で州内の賭博行為を禁じている。今回、違法なスポーツ賭場の運営者で水原氏と取引していたのはマシュー・ボウヤー氏だ。エンジェルスのあるカリフォルニア州オレンジ郡在住で、昨年10月にFBI(連邦捜査局)から家宅捜索を受け、現在も捜査が進んでいる。 ◆翌日に発言を撤回 水原氏は、大谷の資金を窃盗したとしてドジャースから20日に解雇されるが、19日に行われたスポーツ専門局『ESPN』の90分間のインタビューで詳細を語っていた。 『ESPN』によると、水原氏は’21年にサンディエゴでボウヤー氏と出会い、NBA、NFLなど米国のプロスポーツや海外サッカー、カレッジフットボールの試合に賭けを始めた。しかし1年間で100万ドル(約1億5000万円)の損失が生じ「雪だるま式の現象のように」増えた結果、借金が少なくても450万ドル(約6億7500万円)に膨れ上がったという。 借金のことを大谷に相談すると「明らかにがっかりしていた」が、もうギャンブルをやらないことを約束させたうえで返済の肩代わりをするとし、自らのパソコンで数ヵ月間にわたりボウヤー氏側に返済のための送金をしたとされる。なぜ水原氏に直接カネを渡さなかったのかについて水原氏は「ギャンブルに使ってほしくなかった。カネに関して信頼されていなかった」と話した。また、自分が賭けた賭博が違法だとは知らなかったと述べた。 衝撃的な水原氏の告白だが、一夜明けた20日になると一変する。『ESPN』が大谷サイドに返済に関与していたかどうかを質問すると、弁護士を通じて「大谷は大規模窃盗の被害者」との声明を発表。水原氏も前日のインタビューで語ったことを撤回し、「大谷はギャンブルや返済について全く知らない。私がすべてやったこと」と述べたのだ。 そして、水原氏は20日の韓国での開幕戦終了後、選手や球団上層部に事態を説明して自分がギャンブル依存症だったことを謝罪。それを聞いた大谷は初めて何が起きているのか理解し、質問を始めたという。 突然、自らの発言を翻した水谷氏はドジャースを解雇される。『ESPN』によると大谷の代理人は、当局に水谷氏の「大規模窃盗」の捜査を要請した。真相は依然見えてこないが、これで幕引きとならない可能性があると米国在住の弁護士が指摘する。 「もし大谷選手が何も知らないのであれば、水原氏がどうやって大谷選手の銀行口座から大金を送金できたのか疑問が残ります。大谷選手の口座名義で送金された証拠書類はFBIがすでに押収しているはず。仮に違法賭博であることを知って返済に手を貸したとなれば、最悪のケース、大谷選手も捜査対象にならざるを得ないでしょう」 大谷は日ハム時代から付き合いのある水原氏のことを折に触れて「本当にお世話になった人」と話すなど、固い信頼関係で結ばれていた。水原氏はその信頼をギャンブルという誘惑に負けて自ら壊してしまった。 取材・文:形山昌由(ジャーナリスト)
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