ウクライナ、兵器使用制限撤廃求める NATO首脳会議閉幕
Jonathan Landay [ワシントン 11日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は11日、米ワシントンで閉幕した。ウクライナはNATO加盟国から供与を受けた長距離兵器でロシア領内の奥深くを攻撃することを容認するよう呼びかけた。 NATOのストルテンベルグ事務総長は閉幕後の記者会見で「われわれはウクライナが勝利するための基盤を整えつつある」と表明。「暴力や脅迫は報われず、ウクライナは長期にわたりNATOを頼りにできるという団結と決意の強いメッセージをロシアに送る」と述べた。 ウクライナのゼレンスキー大統領は結束した支持を継続するよう呼びかけ、新たな支援を迅速に実施する必要があると強調。「われわれが勝利し、国を救い守るためには、あらゆる制限を撤廃する必要がある」と訴えた。 同国のイェルマーク大統領府長官は首脳会議に関連する公開フォーラムで、ウクライナに武器使用を巡る制約があることで「ロシアと戦うのが不可能になっている」と指摘。 「ロシアにはいかなる制約もない。ロシアはウクライナの民間人、小児病院、学校を直接攻撃できるが、ウクライナには制約がある」とし、供与武器による攻撃の制限が撤廃されれば戦争の「形勢が一変する」と述べた。 NATOは10日の声明で、中国をウクライナでのロシアによる戦争の「決定的な支援者」だと指摘。中国外務省はこれについて、偏見であり「不和の種をまいている」と反発した。 ストルテンベルグ氏は会見で「中国は自国の利益と信用に影響を与えることなく、欧州最大の軍事衝突をあおり続けることはできない」と述べた。