消えゆく115系 28年の引退に向け、しなの鉄道が「プロジェクト」 旧国鉄時代に製造
しなの鉄道(上田市)は、老朽化や車両更新に伴い2028年までに順次引退する115系車両の関連企画を行う「プロジェクト115」を立ち上げた。グッズ販売や、その収益での塗色変更などを予定。しなの鉄道運転課車両係の若林大輔さん(38)は「最後まで安全第一で、引退を盛り上げたい」と話している。 【写真】2028年までに引退する115系車両
第1弾として11日、しなの鉄道線内を夜通し、115系車両で走る「冬の115系満喫号の旅」を鉄道ファン向けに企画。かつて新宿―上諏訪間などを走っていた「普通夜行列車」のような体験ができる。他のイベントは決まり次第、発表する。
節電の新型車両に入れ替え
同社が所有する車両は旧国鉄時代の昭和50年代前半に製造された計10編成(全て3両編成)。赤色とグレーの「しなの鉄道色」や、緑色とオレンジ色の「湘南色」など6種類の塗色がある。モーター冷却用の空気を通常の床下からでなく、車両側面の「雪切(ゆききり)室(しつ)」から取り込むなど寒冷地仕様で、勾配に強いブレーキも搭載している。 115系に代わる新型車両「SR1系」は2020~27年度に計46両導入する計画。消費電力が115系の半分程度で、維持管理費も軽減されるため、中古車両を買うよりコストを抑えられるという。
満喫号の旅は午後7時50分ごろに軽井沢駅を出発し、12日午前6時半ごろに上田駅に到着する。ボックス席(1人2万6500円)が残り10席ほど。予約は6日午後5時まで受け付ける。問い合わせはお客さまセンター(電話0268・21・3470)へ。