「地面師」グループの男か 11年前の詐欺容疑で逮捕 海外から帰国
土地を所有者になりすまして不動産会社に売却し、代金をだまし取ったとして、警視庁は、住居・職業不詳の倉石三夫容疑者（71）を詐欺などの疑いで逮捕し、16日発表した。フィリピンから帰国したところを、成田空港で15日に逮捕したという。不正な土地取引を繰り返す「地面師」グループの一員とみている。 捜査2課によると、倉石容疑者は別の男（74）=詐欺罪などで実刑判決=らと共謀し、2013年12月中旬、横浜市都筑区の土地（約800平方メートル）を所有する60代男性になりすまし、東京都大田区の不動産会社に売却。代金として1億2300万円をだまし取った疑いがある。認否は明らかにしていない。 同課は、倉石容疑者が土地の情報をブローカーらを通じて不動産会社に紹介し、別の男が偽造した運転免許証や健康保険証を不動産会社側に示して所有者になりすましたとみている。男は、土地周辺の景観や近況など本人確認のための質問を受けたが、正確に答えたという。 土地を購入した不動産会社が法務局に登記申請をしようとしたところ、却下され、発覚した。 倉石容疑者は19年6月にフィリピンに出国。その後、警視庁が逮捕状を取り、行方を追っていた。（福冨旅史）
朝日新聞社
