【Ｖ長崎―栃木】前半３４分、Ｖ長崎の中村が先制ゴールを決める＝諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

　明治安田Ｊ２第２９節第１日（３１日・トランスコスモススタジアム長崎ほか＝６試合）Ｖ・ファーレン長崎は栃木と１－１で引き分けた。６試合白星がなく、通算１４勝１１分け４敗の勝ち点５３。順位は３位のまま変わらず、山形に２－１で逆転勝ちした横浜ＦＣとの勝ち点差は１０に広がった。台風の影響で試合が延期された清水との差は８。 　Ｖ長崎は前半３４分、マルコスの左クロスを中村が走り込みながら右足で合わせて先制した。後半も好機をつくりながら終盤まで粘り強く守り、リードを保っていたが、追加タイムに左クロスの折り返しを押し込まれ、同点に追いつかれた。 　岡山は山口に２－０で快勝して６試合ぶりの白星。仙台はいわきを２－０で下した。水戸は愛媛を３－１で破った。 　第２９節最終日は９月１日、各地で３試合を実施。第３０節は７、８、２５日、各地で１０試合が行われ、Ｖ長崎は７日午後６時半から静岡市のＩＡＩスタジアム日本平で清水と対戦する。 ◎後半追加タイムの失点 　Ｊ１自動昇格争いに踏みとどまるために、何が何でも欲しかった勝ち点３。目前まで迫ったが、最後の最後に、こぼれ落ちていった。１点リードで迎えた後半追加タイムに自陣右サイドを崩されて失点。Ｖ・ファーレン長崎は、悪い流れを断ち切れなかった。 　エジガルジュニオ、フアンマの絶対的ストライカー２人が不在の中、今季初先発の中村が３トップの中央で奮起した。前半３４分、背番号２０はカウンターからゴール前に走り込み、見事なダイレクトボレーで先制ゴール。チームを勢いづけた。 　繰り返してきた後半立ち上がりの“失点癖”も全員で耐えた。「立ち位置が悪くなって、サポートが減ってしまった」と安部が振り返るように、ボールを保持され何度もピンチを迎えたが、田中や増山、ＧＫ若原が体を張った。スタジアムも、６試合ぶりの勝利への期待感が膨らんでいた。 　後半追加タイム。勝利まで、あと数分だった。歓喜の瞬間を願うサポーターの後押しの声が、悲鳴に、ため息に、沈黙に変わった。左クロスの折り返しから押し込まれた。ゴールネットを揺らしたのは第７節の対戦でも後半４５分に同点弾を決められた栃木の南野。Ｖ長崎の選手はぼう然と天を仰いだ。 　上位との差が広がっていく中で、Ｖ長崎は勝つしかない。次節は自動昇格を争うライバル清水との大一番を迎える。下平監督は「ここからＶ長崎の力が試される。目標は諦めない」。自らに言い聞かせるように前を向いた。